医療

G1ルールで情報継承課題 ~ 先発品撤退、現場に支障も ジェネリック医薬品協議会

薬+読 編集部からのコメント

後発品の置き換え率に関わらず、上市後5年から長期収載品の薬価を引き下げる「G1ルール」の一本化により、撤退した長期収載品の情報が後発品メーカーに継承されなくなるのではないかとの懸念が生じています。

2026年度薬価制度改革で後発品の置き換え率に関わらず、上市後5年から長期収載品の薬価を引き下げる「G1ルール」の一本化で撤退した長期収載品の情報が後発品メーカーに継承されなくなるのではないかとの懸念が生じている。NPOのジェネリック医薬品協議会が医療機関・薬局を対象に実施した調査では、中間解析段階ながら「先発品の撤退により業務に支障が生じた」との経験を持つ施設が6割超に上った。その理由に「先発品の医薬品情報の消失」を挙げる回答も一定数あり、対応策が急がれる。

同協議会の渡邊善照理事長(写真)は、「先発品メーカーから後発品メーカーへの情報移行は個社対応にとどまっている。企業側の責任はあるものの、国が関与し業界全体で先発品情報を共有できる仕組みづくりが必要ではないか」と問題提起する。

 

同協議会は、G1ルール一本化により医薬品供給不安が生じる可能性に加え、先発品の撤退後に添付文書やインタビューフォーム、市販後調査結果、独自試験データなど、これまで蓄積されてきた医薬品情報について医療関係者が閲覧・確認しにくくなるとの問題意識を持つ。こうした実態を把握するため、2月上旬から3月上旬にかけ、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会の協力を得て会員施設などを対象にウェブアンケートを行い、約1500件の回答を得た。回答者の属性は薬局が大半を占めた。

 

解析途中ではあるものの、これまでの集計によると、「先発品の撤退により業務に支障が生じた」と回答した施設は6割超に上った。自由記述を質的に分析した結果、支障の内容は「後発品の供給不足」が最多で、次いで「患者説明の負担」が続いた。「医薬品情報の消失(添付文書・インタビューフォーム)」も一定数確認された。

 

先発品の撤退に伴う医薬品情報の消失では添付文書やインタビューフォーム、安定性データが参照できなくなる影響が指摘された。特に外用剤の混合や一包化の可否など、調剤の安全性に直結する情報が欠落し、業務に支障を来した事例も報告されているという。

 

また、「先発品の撤退後に後発品の適正使用に必要な情報が不足する」との回答は半数超に上った。先発品企業の独自データ(市販後調査など)が閲覧できなくなることについては、「許容できない」が「許容できる」を上回った。

 

理由としては「後発品の薬物動態データは長期収載品との同等性評価にとどまり、情報が乏しい」「後発品では示されていないデータを確認できなくなる」などの声が挙がり、薬剤師による薬学的判断や患者指導への影響を懸念する状況がうかがえる。

 

一方で、「困るが企業の事情もある」「現時点で深刻な事例は起きていない」といった一定の理解を示す意見もあった。

 

長期収載品撤退後の医薬品情報の管理・保管に必要な仕組みとしては、「国による一元管理」が圧倒的多数を占め、次いで「先発品企業による保存義務」が続いた。

 

渡邊氏は、「先発品メーカーが保有する情報が後発品メーカーにスムーズに引き継がれない場合、薬剤師による患者指導が十分に行えなくなる恐れがある。現在調査は途上であるが、最終結果を踏まえ、長期収載品撤退後の医薬品情報管理のあり方について議論を深めたい」と述べている。

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出典:薬事日報

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