薬局倒産2年連続過去最多 ~ 小規模門前の苦境が鮮明に 帝国データバンク
帝国データバンクは13日、2025年度の調剤薬局の倒産件数が前年度から1件増の30件となり、2年連続で過去最多を更新したと発表した。このうち8割強が資本金1000万円未満で、小規模薬局の倒産が目立った。毎年の薬価改定による薬価単価の下落に加え、特に大手ドラッグストアの進出や近隣の病院・クリニックの閉院といった影響を受けやすい門前型調剤薬局で苦境が鮮明になっているという。同社は「ドラッグストアの進出により調剤薬局の存在意義が大きく問われる中、『薬の提供』以外の付加価値を提供できない中小調剤薬局の淘汰が今後さらに進む」と予測している。
集計期間は00年4月から25年3月末までで、負債1000万円以上で法的整理による倒産を対象とした。24年度の損益状況が判明した調剤薬局約120社の動向を見ると、前年度比で「増益」となった企業は36.8%だった。23年度の48.3%から大きく低下し、4年ぶりに4割を下回った。
一方、「減益」(37.9%)と「赤字」(22.3%)を合わせた「業績悪化」の割合は6割を占め、25年度はさらに割合が拡大する傾向にある。
薬価引き下げや後発品の普及による販売単価の低下が続く中、食料品や生活必需品を安価に揃え、利便性も高いドラッグストアチェーンや大手ECサイト運営企業による調剤事業参入など異業種との競合も激化。こうした環境下で収益を伸ばせない調剤薬局が増加していると分析した。
従来型の門前薬局経営では利便性やスケールメリットで勝る大手チェーンやドラッグストアに対する優位性を維持できず、業績が悪化するケースが目立つという。中小の門前薬局では調剤現場で不可欠な薬剤師の採用面でも、給与や待遇面で大手やドラッグストアに及ばず、人材確保が難航している。このため、薬剤師不足を理由に事業継続を断念する「人手不足倒産」も発生している。
その一例として、今年破産したクローバー薬局では、大手ドラッグストアの新規出店による競合激化に加え、薬剤師確保に苦慮する状況が続き、最終的に破産に至った。また、同業他社とのM&Aや介護・飲食業などへの経営多角化で打開を図ったものの、借入過多による資金繰り悪化から経営が破綻するケースも散見された。
26年度の調剤報酬改定では都市部において、特定の医療機関に依存する門前薬局の調剤基本料が減額される。
同社では高い専門性と報酬増が見込める分野への特化や、オンライン服薬指導、専用アプリを通じた処方箋の事前受付などデジタル領域で患者との接点を拡大する薬局が業績を伸ばしている点に注目し、中小調剤薬局にとって「薬の提供」以外の付加価値創出が生き残りのカギになるとの見方を示した。
🔽 薬局経営について解説した記事はこちら
出典:薬事日報



薬+読 編集部からのコメント
2025年度の調剤薬局倒産件数が前年度から1件増の30件となり、2年連続で過去最多を更新したことを帝国データバンクが発表。倒産件数の8割強が資本金1000万円未満で、小規模薬局の倒産が目立っています。