在総加算2-イの算定緩和 ~ 重症患者なら個人宅以外も 厚生労働省
厚生労働省は5月29日、2026年度診療報酬改定関連通知および官報掲載事項の一部訂正に関する事務連絡を発出し、個人宅への訪問薬剤管理指導を評価する「在宅薬学総合体制加算2-イ」(100点)について、重症度の高い患者に対する訪問薬剤管理指導であれば個人宅以外でも算定可能とする追加措置を講じた。個人宅の訪問薬剤管理指導に高い評価の算定項目を設けたが、高齢者施設で重症度の高い患者等に訪問薬剤管理指導を実施している薬局の取り組みが後退することを防ぐため、6月にスタートした改定施行直前のタイミングで見直すこととした。
今回の改定では、同加算1を30点に引き上げると共に、同加算2は個人宅への在宅訪問時を100点、高齢者施設への訪問時を50点と区分した。同加算2の施設基準は、▽個人宅への訪問薬剤管理指導実績が年240回以上で、訪問薬剤管理指導全体に占める個人宅の割合が2割以上▽個人宅への訪問薬剤管理指導実績が年480回以上で、同割合が1割以上――のいずれかを満たす必要があるとしている。
個人宅以外でも同加算2-イを算定可能とする場合の施設要件は、▽同加算2を届け出ている保険薬局▽同加算1を届け出ている保険薬局のうち、個人宅の患者に対する訪問薬剤管理指導または居宅療養管理指導の算定回数が480回以上――で、訪問薬剤管理指導の実績のうち個人宅の占める割合の要件は求めない。
重症度の高い患者や包括的支援体制加算の対象患者に対し、訪問薬剤管理指導または居宅療養管理指導に関する処方箋を受け付け、調剤した場合に限り算定可能とした。重症度の高い患者とは、末期の悪性腫瘍、スモン、指定難病、後天性免疫不全症候群、脊髄損傷、真皮を越える褥瘡のほか、在宅血液透析や在宅酵素療法を行っている状態の患者や人工肛門・人工膀胱を設置している患者などを対象と規定した。
一方、包括的支援体制加算の対象患者は、要介護3以上に相当する患者や月4回以上の訪問介護を受ける患者などとした。
また、厚労省は5月29日の事務連絡で、26年度診療報酬の疑義解釈を示した。内服薬が長期処方(28日以上)されている患者に対し、残薬調整で減数調剤が行われ、実際の調剤する内服薬の投与日数が27日分以下となった場合についても、調剤管理料の1のイ(長期処方[28日分以上])の算定が可能であるとの見解を示した。調剤管理料を算定する患者で、飲み残しや飲み忘れにより医薬品の残薬が確認された患者を対象とした「調剤時残薬調整加算」の算定も可能としている。
保険薬局および保険薬剤師療養担当規則に基づき、保険薬局内に掲示すると定められている事項について、電子的表示による掲示を行うことは差し支えないとした。
「施設在宅ままならない」‐清原薬剤管理官
厚生労働省保険局医療課の清原宏眞薬剤管理官(写真㊧)は、5月31日に札幌市内で開催された北海道薬学大会で講演し、「在宅薬学総合体制加算2-イ」の算定要件を緩和した背景を説明した。
在宅薬学総合体制加算2の施設基準では、訪問薬剤管理指導の実績のうち個人宅の占める割合を求めたが、同加算2のハードルが想定以上に高くなっていた実態が判明した。清原氏は「施設在宅がままならなくなってしまう。われわれが想定したのは、基本は50点(同加算2-ロ)は維持するだろうと思っていたが、これがかなり難しく、ほとんどが30点(同加算1)になる。施設在宅をやっていただき、個人在宅もしっかりやってもらいたいというわれわれの思いとは少し違っていた」と述べた。
その上で、「在宅総合加算1あるいは2を出している薬局が個人宅、施設のどちらであっても重症度が高い患者に対して訪問指導を行った場合は100点を取れるようにした。医科でも患者の病態によって評価にメリハリをつけていたので、重症度が高い方に行く時には応援できるよう改善した」と語った。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
厚労省が2026年度診療報酬改定関連通知および官報掲載事項の一部訂正に関する事務連絡を発出。「在宅薬学総合体制加算2-イ」について、重症度の高い患者に対する訪問薬剤管理指導であれば個人宅以外でも算定可能とする追加措置を講じました。