医療

改正健康保険法が成立 ~ OTC類似薬に特別料金 参議院本会議

薬+読 編集部からのコメント

参議院本会議(5月29日)において、OTC類似薬77成分約1100品目について薬剤費の4分の1を特別料金として患者に求める「一部保険外療養」の創設などを盛り込んだ健康保険法等改正案が与野党の賛成多数により可決、成立しました。

OTC類似薬77成分約1100品目について薬剤費の4分の1を特別料金として患者に求める「一部保険外療養」の創設などを盛り込んだ健康保険法等改正案が、5月29日の参議院本会議で与野党の賛成多数により可決、成立した。鼻炎薬や解熱・鎮痛薬等を対象薬剤とし、子供や癌患者などには配慮を検討する。「配慮が必要な人」の範囲と判断基準等を有識者会議で検討した上で、来年3月の制度開始を予定する。

 

改正法では、現役世代を中心とする保険料負担の上昇を抑制するなどの観点から、来年3月施行を予定する一部保険外療養において77成分約1100品目を対象に、薬剤費の4分の1を患者から特別料金として徴収する。主な対応症状として、鼻炎、胃痛・胸焼け、解熱・鎮痛、かぜ症状全般などとしている。薬剤支給に伴う診療・処置については制度の対象外となる。

 

政府は、同制度開始による年間の医療費削減効果として、初診後にOTC医薬品を利用するなど行動変容により約400億円、従来の保険給付等が別途患者負担に移行することで約500億円と、合計で約900億円を見込んでいる。

 

一方、子供、癌患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱える人、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用が医療上必要と判断した人などには、配慮を検討することとした。具体的範囲と判断基準に関しては、改正法施行に向けて技術的観点を有識者検討会で議論し、社会保障審議会と中央社会保険医療協議会でも検討した上で決めるとしている。

 

同制度開始後、来年度以降に「OTC薬の対応する症状の適応がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品」として約1000成分の相当部分まで制度適用対象範囲を拡大し、特別料金の対象となる薬剤費の割合も引き上げる方針が示されているが、現時点で具体的な数値目安は示されていない。

 

制度開始後の見直しについて、政府は「単に保険料負担軽減の観点から進めるのではなく、制度が医療現場や患者に与える影響を把握しながら客観的データや患者の意見を踏まえて丁寧に検討する」としている。

 

本会議に先立ち、同28日の参院厚生労働委員会では改正案の可決に当たり、19項目からなる附帯決議も採択した。一部保険外療養関係では、OTC薬との代替性が高い医薬品でも適正な医療の確保に必要なものは将来にわたり保険給付の対象とすると共に、配慮が必要な人への措置は将来にわたり維持するよう求めた。また、対象範囲として薬剤以外の診療行為を含めないことを十分に検討すること、消化管運動賦活剤「イトプリド」を妊婦に使用する際に別途負担を求めない方向で整理することも必要とした。

 

改正法成立後に会見した上野賢一郎厚生労働相は、「医療制度を持続可能なものにする有意義な法案を成立できた」と所感を述べ、施行に向け「煩雑な仕組みとならないよう勘案しながら患者や現場に分かりやすい運用に向けて一定基準を示す。適切な配慮のあり方については、関係者の意見を聞きながら丁寧に検討したい」とコメントした。

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出典:薬事日報

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