被災薬局仮設店舗で営業可 ~ 処方箋薬販売も条件付き 厚生労働省
厚生労働省は、熊本地震を受けた薬局・薬剤師業務および保険調剤に関する特例措置を事務連絡で示した。被災した薬局による仮設店舗での営業を認めるほか、患者が受診や処方箋の取得が困難な場合には、処方箋医薬品や医療用麻薬、向精神薬などを例外的に供給できることを明確化。また、処方箋なしでの保険調剤や薬局判断による分割調剤、避難所での訪問薬剤管理指導の算定を認めるなど、被災者への継続的な医薬品供給体制の確保を図る。保険調剤に関する措置は31日まで。
事務連絡では、地震で薬局や医薬品販売業者の店舗が使えなくなった場合、地域の医薬品供給に支障が生じると認められる際は近接する建物に仮設店舗を設置し、営業することを容認した。新たな薬局開設許可は不要とし、自治体への届出で対応できるとした。
薬局管理者が被災地支援のため現地で調剤業務などに従事する際は、代行者を指定することで管理者変更手続きを省略できるほか、営業時間や薬剤師・登録販売者の変更についても届出を省略できる。
患者への医薬品供給に関しては、被災地で医師の受診や処方箋の取得が困難な場合、「正当な理由」があるものとして処方箋医薬品を販売・授与できることを改めて示した。薬局には薬剤服用歴、お薬手帳、マイナンバーカードなどを活用し、服薬情報の確認に努めるよう求めている。災害で医薬品供給ルートが寸断され需給が逼迫した場合には、病院、診療所、薬局、自治体の間で医薬品などを融通することも認めた。
医療用麻薬や向精神薬、覚醒剤原料医薬品についても、継続治療を確保するための特例を設けた。患者が受診できない場合でも、薬局が医師と連絡を取り指示を確認できれば、必要な医療用麻薬等を交付できるとした。向精神薬は薬袋などから常用薬が確認でき、予め医師の包括的な了解が得られている場合の交付も認めた。交付した医療用麻薬等は品名や数量、患者情報などを記録し、医師へ報告するよう求めている。
このほか、災害により薬局での調剤が困難な場合には、避難所内の調剤所などで薬剤師が調剤を行うことも認めた。保険調剤の取り扱いでは、被災により資格確認書等を提示できない患者について、保険薬局が加入保険や住所などを確認し調剤録に記載することで保険調剤として取り扱うことを可能とした。
交通遮断や医療機関の機能停止などにより受診できない場合には、主治医との電話連絡やメモなどで処方内容が確認できれば、事後的な処方箋発行を条件に保険調剤を認める。医療機関と連絡が取れない場合も、お薬手帳や薬歴などから慢性疾患の継続処方であることが確認できれば、後日医師への処方内容確認を前提に調剤できるとした。
被災地で医薬品不足により在庫が逼迫し、処方医への迅速な疑義照会が難しい場合には分割指示のない処方箋でも薬局判断による分割調剤を認め、事後報告で差し支えないとした。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
厚労省が熊本地震で被災した薬局・薬剤師業務および保険調剤に関する特例措置を提示。被災薬局の仮設店舗での営業を認めるほか、患者が受診や処方箋取得が困難な場合、処方箋医薬品や医療用麻薬、向精神薬などを例外的に供給できることが明確化されています。