薬剤師会

日本老年薬学会が発足‐認定・専門薬剤師制度を構築

薬+読 編集部からのコメント

高齢者に対する適切な薬物治療を行うため、「一般社団法人日本老年薬学会」が設立されました。老年薬学認定薬剤師、専門薬剤師制度の構築も目指すとのことです。

一般社団法人日本老年薬学会(代表理事:東京大学大学院医学系研究科秋下雅弘教授)が4日に発足した。高齢者に対する適切な薬物治療の実践を、医師と薬剤師、薬学研究者らが共同で研究する場として設立された。老年薬学認定薬剤師、専門薬剤師制度を構築し、この領域に詳しい薬剤師の育成も進める。同制度の骨格は今月中旬に固まる見通しだ。


 

高齢者は複数の疾患を併発しやすく、ポリファーマシー(多剤併用)に伴って副作用が発生するリスクが高まる。また、認知機能や視覚機能などの低下によって、服薬アドヒアランスが低下し残薬が増えるなど、高齢者特有の様々な課題がある。これらの課題克服に向けた研究を進める場として、日本老年薬学会が設立された。ADLの低下を防ぐ予防医療分野における多職種連携のあり方、地域包括ケアシステムにおける薬局や薬剤師のあり方の研究と実践などにも取り組む。

 

理事には秋下氏や平井みどり氏(神戸大学病院教授・薬剤部長)、福島紀子氏(慶應義塾大学名誉教授)ら14人が就任。発起人には山本信夫氏(日本薬剤師会会長)、東口高志氏(藤田保健衛生大学医学部外科・緩和医療学講座教授)、狭間研至氏(ファルメディコ代表取締役社長)ら約100人が名を連ねている。

 

1月中旬には老年薬学認定・専門薬剤師制度の骨格が固まる見通し。その後、3月13日に昭和大学旗の台キャンパスで開く設立記念講演会を皮切りに、関東、中京、関西圏で3回ずつ年間計9回の講演会を開き、この講演会を同制度の単位としても認定する予定だ。2017年1月には第1回日本老年薬学会年会を開催する。

 

会員は、一般会員、学生会員、支援会員、賛助会員の4種類。薬学研究者、薬剤師、薬学生、医師、看護師、介護士、管理栄養士らのほか、ドラッグストア、製薬会社、医薬品卸などに幅広く参加してもらいたい考え。1年目700人、2年目1000人の会員数を見込んでいる。

 

事務局は、鈴鹿医療科学大学薬学部の大井一弥教授が務める。ウェブサイトはhttp://www.jsgp.di-research.jp/

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出典:薬事日報

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