医療機器

添付文書改訂‐オプジーボ、心筋炎など

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省はオプジーボに免疫性血小板減少性紫斑病、心筋炎や横紋筋融解症などの重大な副作用が報告されたことから、添付文書の改訂を指示しました。また、血液凝固剤「ワルファリンカリウム」と口腔・食道カンジダ症治療剤「ミコナゾール」も併用禁忌に指定されています。

厚生労働省は18日、小野薬品の抗癌剤「ニボルマブ(遺伝子組み換え)」(製品名:オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg)に投与終了後の重篤な副作用や免疫性血小板減少性紫斑病、心筋炎や横紋筋融解症などの重大な副作用が報告されたことから、添付文書の「使用上の注意」を改めるよう製造販売業者に指示した。

 

ニボルマブについては、使用上の注意の「重要な基本的注意」の過度の免疫反応に関する記載に、投与終了後の重篤な副作用の注意喚起を追記。また、「重大な副作用」の項に、免疫性血小板減少性紫斑病のほか、「重症筋無力症、筋炎」の項に「心筋炎、横紋筋融解症」を追記するよう指示した。

 

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の報告によると、直近3年間の国内で投与終了後の副作用報告症例が50件、うち死亡が5件。免疫性血小板減少性紫斑病に関連する症例は5件確認され、死亡は1件だった。また、心筋炎に関連する症例6件のうち、死亡が1件で、横紋筋融解症に関連する症例は4件だった。

 

今回、投与終了後の副作用に関する国内症例が集積し、安全性や効能・効果等の情報を記載した文書(CCDS)にも記載があることなどから、専門家の意見を踏まえた上で添付文書の改訂が適切と判断した。

 

ワルファリンとミコナゾール、併用禁忌に

 

また、エーザイの血液凝固剤「ワルファリンカリウム」(製品名:ワーファリン錠0.5mg、同錠1mg、同錠5mg、同顆粒0.2%)については、持田製薬の口腔・食道カンジダ症治療剤「ミコナゾール」(製品名:フロリードゲル経口用2%、同F注200mg)と併用することで、出血や血液凝固能検査値の変動を引き起こす可能性があることから、併用を禁忌とするよう指示した。ワルファリンカリウムの「禁忌」の項にミコナゾールを投与中の患者を、「併用禁忌」の項に「ミコナゾール」を追記。また、ミコナゾールに関しては、「禁忌」の項に「ワルファリンカリウムを投与中の患者」を、「併用禁忌」の項に「ワルファリンカリウム」を追記するよう求めた。

 

ワルファリンカリウムとミコナゾールの併用を禁忌とした場合、アゾール系抗真菌薬の使用増加が考えられることから、ヤンセンファーマの経口抗真菌剤「イトラコナゾール」、ファイザーの深在性真菌症治療剤「フルコナゾール」などに関して、「慎重投与」の項に「ワルファリンカリウムを投与中の患者」を、「重要な基本的注意」の項にワルファリンカリウムとの併用に関する注意喚起を追記することとした。

 

さらに、ヤンセンファーマの乾癬治療薬「ウステキヌマブ(遺伝子組み換え)」(製品名:ステラーラ皮下注45mgシリンジ)について、重大な副作用の項に「間質性肺炎」を追記するよう指示したほか、MSDの抗菌薬「ダプトマイシン」(製品名:キュビシン静注用350mg)について、重大な副作用の項に「急性汎発性発疹性膿疱症」を追記することとした。

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出典:薬事日報

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