5月の調剤費、技術料8%増‐後発品数量は7割に迫る
厚生労働省は、今年5月の調剤医療費(電算処理分)の動向を発表した。それによると、調剤費は前年同期比6.5%増の6260億円、処方箋1枚当たり調剤医療費は1.2%増の9004円だった。後発品の数量シェアは69.0%と70%目前に迫った。
今年5月の調剤医療費の内訳を見ると、技術料が8.3%増の1576億円と高い伸びを見せ、薬剤料が5.9%増の4674億円となった。薬剤料のうち、後発品薬剤料は16.3%増の758億円だった。
薬剤料の多くを占める内服薬の処方箋1枚当たり薬剤料は、0.4%減の5497円、処方箋1枚当たりの薬剤種類数は2.79種類、投薬日数は23.2日、1種類数1日当たり薬剤料は85円となった。また、薬剤料の多くを占める内服薬は、174億円増の3822億円。薬効分類別で総額が最も高い循環器官用薬が42億円増の831億円となった。伸び幅が最も高かったのは中枢神経系用薬の52億円で、総額は657億円となった。
処方箋1枚当たりの調剤医療費を都道府県別に見ると、最も高かったのは福井県の1万0692円で、最も低かったのは佐賀県の7796円だった。また伸び率が最も高かったのは沖縄県の3.3%、最も低かったのは熊本県でマイナス1.7%だった。
後発品薬剤料から後発品の割合を見ると、数量ベースで69.0%、薬剤料ベースでは16.2%と、数量ベースでは引き続き伸長し、70%に迫った。全処方箋枚数のうち、後発品を調剤した処方箋枚数の割合を示す後発品調剤率は67.6%となった。
都道府県別の後発品数量ベースは、沖縄県が80.3%と最も高く、80%を突破。一方、徳島県が59.6%と最も低かった。後発品調剤率についても沖縄県が78.7%と最も高く、山梨県が61.3%と最も低かった。
4月の調剤費は1%減
また、今年4月の調剤医療費は、前年同期比1.1%減の6296億円、処方箋1枚当たりでは1.9%増の9343円だった。薬剤料のうち、後発品の伸び率は9.5%増で768億円、後発品の数量シェアは68.8%だった。
調剤医療費の内訳を見ると、技術料が0.6%増の1550億円、薬剤料が1.6%減の4736億円となった。薬剤料の多くを占める内服薬の処方箋1枚当たり薬剤料は、0.1%増の5758円、処方箋1枚当たりの薬剤種類数は2.84種類、投薬日数は24.0日、1種類数1日当たり薬剤料は85円となった。また、薬剤料の多くを占める内服薬は、114億円減の3881億円。薬効分類別で総額が最も高い循環器官用薬が13億円減の848億円となった。伸び幅が最も高かったのは腫瘍用薬の22億円で、総額は255億円となった。
処方箋1枚当たりの調剤医療費を都道府県別に見ると、最も高かったのは石川県の1万1024円で、最も低かったのは佐賀県の8108円だった。また伸び率が最も高かったのは沖縄県の4.8%、最も低かったのは京都府でマイナス1.4%だった。
後発品薬剤料から後発品の割合を見ると、数量ベースで68.8%、薬剤料ベースでは16.2%と、数量ベースで引き続き伸びた。全処方箋枚数のうち、後発品を調剤した処方箋枚数の割合を示す後発品調剤率は67.7%となった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2017年5月の調剤医療費(電算処理分)の動向を厚生労働省が発表しました。調剤費は前年同期比6.5%増で、6260億円。後発品の使用も69%と、70%を目前にしています。
調剤医療費の内訳としては、技術料が8.3%増の1576億円。薬剤料が5.9%増の4674億円と大きい伸びを示しました。
処方箋1枚当たりの調剤医療費をみてみると、最も高かったのは福井県の1万0692円で、最も低かったのは佐賀県の7796円でした。