1.薬剤師国家試験とは?
薬剤師国家試験とは、国家資格である薬剤師免許を取得するための試験です。薬剤師として必要な知識および技能を評価するもので、毎年2月頃に全国各地の会場で試験が実施されます。
薬剤師国家試験を受験するためには、原則として6年制の薬学部・薬学科を卒業する必要があります。第110回薬剤師国家試験の具体的な受験資格は以下のとおりです。
参照:薬剤師国家試験|厚生労働省
参照:薬剤師法|e-Gov法令検索
2.第110回薬剤師国家試験の日程
第110回薬剤師国家試験が実施される日程は、2025年(令和7年)2月22日(土)・23日(日)の2日間です。
受験願書など必要書類の提出期間は、2025年1月6日(月)から16日(木)までとなっています。
3.第110回薬剤師国家試験の合格発表
第110回薬剤師国家試験の合格発表日は、2025年(令和7年)3月25日(火)です。同日の14時に、厚生労働省のウェブサイトで受験地ごとに合格者の受験番号が発表されます。
試験に合格してから薬剤師免許を受け取るまでの流れについては、以下の記事を参考にしてください。
4.第110回薬剤師国家試験の会場
第110回薬剤師国家試験の試験地は、北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県、福岡県の9都道府県です。
※各都道府県の試験会場については、公表され次第掲載いたします。
5.第110回薬剤師国家試験の試験科目
第110回薬剤師国家試験の試験科目は、以下のとおりです。
区分 | 科目 | |
---|---|---|
必須問題試験 | 物理・化学・生物 衛生 薬理 薬剤 病態・薬物治療 法規・制度・倫理 実務 |
|
一般問題試験 | 薬学理論問題試験 | 物理・化学・生物 衛生 薬理 薬剤 病態・薬物治療 法規・制度・倫理 |
薬学実践問題試験 | 物理・化学・生物 衛生 薬理 薬剤 病態・薬物治療 法規・制度・倫理 実務 |
※試験当日の時間割については、公表され次第掲載いたします。
6.薬剤師国家試験の合格率・難易度
2024年の第109回薬剤師国家試験の合格率は68.43%でした。ストレート(6年制新卒)の合格率は84.36%と、6年制既卒の42.42%に比べて高くなっています。
近年の合格率は70%前後で推移しています。2020年(第105回)~2024年(第109回)の合格率は以下のとおりです。
試験年 | 合格率 |
---|---|
2024年 (第109回) |
68.43% |
2023年 (第108回) |
69.00% |
2022年 (第107回) |
68.02% |
2021年 (第106回) |
68.66% |
2020年 (第105回) |
69.58% |
なお、2024年の医療・福祉関連国家試験の合格率は、医師国家試験が92.4%、看護師国家試験が87.8%、理学療法士国家試験が89.3%、作業療法士国家試験が84.4%、介護福祉士国家試験が82.8%となっています。
単純に合格率を比較すると、薬剤師国家試験の難易度は高いといえるかもしれません。
🔽 薬剤師国家試験の合格率について解説した記事はこちら
🔽 過去の薬剤師国家試験の結果について解説した記事はこちら
7.薬剤師国家試験のボーダー(合格点)
2024年の第109回薬剤師国家試験のボーダーは210点(345点換算)でした。なお、例年の合格基準では、ボーダー以上の得点であることに加え、「必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上」であること、「禁忌肢問題※選択数は2問以下」であることも求められています。
※薬剤師には、医療人としての高い倫理観と使命感が求められることにかんがみ、薬剤師として選択すべきでない選択肢(いわゆる「禁忌肢」)を含む問題
薬剤師国家試験の合格点は、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定されます。2020年(第105回)~2024年(第109回)のボーダーは以下のとおりです。
試験年 | 合格点 |
---|---|
2024年 (第109回) |
210点 |
2023年 (第108回) |
235点 |
2022年 (第107回) |
217点 |
2021年 (第106回) |
215点 |
2020年 (第105回) |
213点 |
参照:第109回薬剤師国家試験合格基準及び正答について|厚生労働省
参照:薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針|厚生労働省
🔽 薬剤師国家試験の合格基準について解説した記事はこちら
8.薬剤師国家試験の勉強法
第110回薬剤師国家試験に向けた対策のポイントについて、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の木暮喜久子学長は以下のようにコメントしています。
第109回でも「改訂コアカリ(R4)※」に準拠した「個別最適化薬物治療」の実践を問う問題が多く出題されています。症例・処方・検査値などから解答に必要な要素を抽出するためには、丸暗記ではなく、概念化した学習が重要になります。第110回国試対応「青本」の実務9では、「個別最適化薬物治療」を概念化しながら学ぶことができます。最新情報を反映した教材で学習しましょう。
※「2024年「第109回薬剤師国家試験」総評!第110回に向けた対策のポイントは?」より抜粋
また、薬剤師国家試験は、20%程度の問題が過去に出題された試験問題(既出問題)を活用して出題されるので、過去問もおさらいしておきましょう。
🔽 薬剤師国家試験の勉強法について解説した記事はこちら
🔽 薬剤師になるための方法について解説した記事はこちら
文:薬読編集部
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