処方せん

スタチン等の併用禁忌解除‐高脂血症薬で添付文書改訂

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省は、スタチンとフィブラート系薬の併用の原則禁忌を解除し、添付文書の改訂を指示する通知を発出。日本では、横紋筋融解症が発現しやすいため原則禁忌でしたが、欧米では、腎機能の検査値異常が認められる患者には併用禁忌されていないなどの状況をふまえ、禁忌解除が判断されました。

厚生労働省は16日、「原則禁忌」とされている腎機能の検査値異常が見られる患者へのスタチンとフィブラート系薬の併用について「重要な基本的注意」に移行する添付文書の改訂を指示する通知を、製造販売業者に発出した。これまで日本では横紋筋融解症の発現のしやすさから禁忌となっていたが、国内外のガイドラインで併用禁忌となっていない現状を踏まえ、先月25日の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会で改訂が了承されていた。

 

両剤の併用は、横紋筋融解症が発現しやすいため、原則禁忌とされているが、欧米では一部薬剤を除き腎機能の検査値異常が認められる患者に両剤を併用禁忌としていない。

 

こうした状況を踏まえ、今回の改訂ではスタチンに関して、原則禁忌の「腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者にフィブラート系薬剤(スタチン)を併用する場合は、治療上やむを得ないと判断される場合に限る」との記載内容を重要な基本的注意の項に移行する。

 

その上で、横紋筋融解症の発現に対する注意喚起として、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が現れやすく、やむを得ず使用する場合は定期的に腎機能検査等を実施することを明記する。

 

筋肉痛や脱力感など自覚症状の発現、CK(CPK)上昇、血中・尿中ミオグロビン上昇、血清クレアチニン上昇など腎機能の悪化を認めた場合は投与を中止することを追記する。

 

さらに、相互作用の原則併用禁忌の「フィブラート系薬剤(スタチン)」を削除する一方、慎重投与の項に「フィブラート系薬剤(スタチン)を投与中の患者」を追記することとした。

 

欧米では、腎機能の検査値異常が認められる患者に両剤を併用禁忌としていないことや国内でも併用治療のニーズがあることから、日本動脈硬化学会が原則禁忌の見直しを要望していること、国内外のガイドラインでも併用禁忌としていないといったPMDAの調査結果を踏まえ、先月25日の安全対策調査会で添付文書の改訂が妥当と判断していた。

 

>>イキイキ働く薬剤師さんの職場レポートを読んでみる

 

  • 薬剤師のための休日転職相談会
  • 薬剤師の転職・求人・募集はマイナビ薬剤師/5年連続満足度NO.1

<完全無料>転職やキャリアのご相談はマイナビ薬剤師へ

出典:薬事日報

ページトップへ