薬剤師会

合格判断で相対基準導入‐薬剤師国試、足切り緩和も

薬+読 編集部からのコメント

第101回薬剤師国家試験について、厚生労働省が新たな合格基準を発表しました。これまでの「得点率65%以上」から「平均点と標準偏差を用いた相対基準」に変更し、足切りの要件も緩和されるとのことです。

厚生労働省は、来年2月の第101回薬剤師国家試験から新たな合格基準を適用する。合格者の基準を、これまでの「得点率65%以上」から「平均点と標準偏差を用いた相対基準」に変更し、試験ごとに合格基準を決めるようにする。また、足切りの要件も緩和。必須問題を構成する各科目の足切りを現行の50%から30%に引き下げるほか、35%に設定されていた薬学理論・実践の各科目の足切りは廃止する。

 

合格基準の見直しは、医道審議会薬剤師分科会の国試改善検討部会の中間取りまとめを踏まえたもの。中間まとめでは、6年制課程導入後の国試について、「年度によって合格率に大幅な変動が生じ、教育現場の混乱や薬剤師の確保に対する影響が懸念され、決して望ましいとは言えない」とした。

 

こうした状況を踏まえ、「絶対基準である得点率に基づく現行の合格基準には、受験者の学修レベルや問題の難易に関する少しの振幅で合格者数が大きく変動してしまうという問題が内包されている」と指摘。平均点と標準偏差を用いた相対基準によって合格者を決定する方針を示した。

 

ただ、学生が徹底して試験対策を行うようになり、仮に合格基準が70%に上昇した場合でも、教育現場や受験生の混乱を避けるため、当分の間、65%を維持した受験生は合格とする。“当分の間”について厚労省は、「良質の過去問が多数蓄積され、出題問題のレベルと受験者の学修レベルが合致し、安定した状況になるまで」としている。

 

中間まとめでは、「受験者の学修レベルと問題の難易が合致していない中で、特定の科目のみで基準を満たさないことのみをもって薬剤師の基本的資質がないとは言い切れない」と指摘している。

 

足切りについては、必須問題の「全問題への配点の70%以上」は変更せず、必須問題を構成する各科目、薬学理論・実践の各科目の必要最低点数を緩め、足切りによる不合格の可能性を低下させた。

 

合格基準の見直しと併せて、教育内容の充実に引き続き取り組むことや、薬剤師試験委員会での国試の作問に当たっては、「これから薬剤師となる者として基本的な資質があるかどうかを確認する出題となるよう、なお一層の工夫」を求めた。

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出典:薬事日報

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