医療機器

消炎酵素剤の有効性認めず‐リゾチーム製剤を販売中止

薬+読 編集部からのコメント

薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会が、消炎酵素剤「リゾチーム塩酸塩」「プロナーゼ」の2成分について、現時点でプラセボに対する優越性はどちらも検証されなかったと判定しました。両製剤の市場からの撤退が決まったと伝えられています。

再評価部会で判定

 

薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会は17日、消炎酵素剤「リゾチーム塩酸塩」「プロナーゼ」の2成分について再評価を審議し、現時点で有効性が確認できないと判定した。これを受け、リゾチーム塩酸塩を製造販売するあすか製薬、サンノーバ、日本新薬、シオエ製薬、プロナーゼを製造販売する科研製薬は同日、製剤の販売を中止し、自主回収すると発表した。これにより、両製剤は市場から撤退する。

 

リゾチーム製剤については、2012年1月に同部会から再評価指定を受け、製造販売を行う4社が気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症を適応とし、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者での標準治療に対するリゾチーム製剤の上乗せ効果を検討する製造販売後臨床試験を実施した。

 

その結果、プラセボに対するリゾチーム塩酸塩の優越性は検証されなかったと判定。同部会は、気管支拡張薬や吸入ステロイドがCOPDの薬物療法の中心となっている現在の医療環境では、リゾチーム製剤の有効性が認められなかったことから、1995年の再評価時点に比べて医療上の有用性が低下したと考えられ、現時点で医療上の有用性は認められないと結論づけた。

 

また、プロナーゼ製剤についても、リゾチーム製剤と同様に12年1月に同部会から再評価指定を受け、製造販売を行う科研製薬が慢性副鼻腔炎、慢性呼吸器疾患、足関節捻挫を適応とし、プロナーゼ製剤の上乗せ効果を検討する製造販売後臨床試験を実施した。

 

その結果、プラセボに対するプロナーゼ製剤の優越性は検証されなかったと判定。現在の医療環境では、プロナーゼ製剤の有効性が認められなかったことから、95年の再評価時点に比べて医療上の有用性が低下したと考えられ、現時点で医療上の有用性は認められないと結論づけた。

 

同部会の見解を受け、リゾチーム製剤を製造販売するあすか製薬、サンノーバ、日本新薬、シオエ製薬、プロナーゼ製剤を製造販売する科研製薬は同日、製剤の販売を中止し、自主回収すると発表した。今後各社は有効性が認められなかった効能・効果について承認を整理し、市場から撤退する。

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出典:薬事日報

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