薬剤師会

添付文書電子化、概ね賛同‐紙媒体の製品同梱を廃止へ

薬+読 編集部からのコメント

医薬品の添付文書情報の電子化について、議会で概ね賛同が得られました。
具体的には、
紙の添付文書の同梱をやめ、製造販売業者が製品の外箱にQRコードを表記し、最新情報にアクセスできるようにし、
製造販売業者または卸売業者が薬局へ紙媒体の提供を行いつつ、情報の電子的入手方法を伝えることとしています。

8日の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会では、医薬品の添付文書情報を電子化する方向で概ね賛同を得た。法改正により、製造販売業者が製品の外箱にQRコードを表記し、医療機関や薬局が最新情報に迅速にアクセスできるようにするなどの方策を盛り込む。紙の添付文書を製品に同梱することをやめ、製造販売業者か卸売業者が医療機関などに赴き、紙の添付文書を提供すると共に、電子的な入手方法を伝えるよう改める。ただ、要指導医薬品と一般用医薬品については、消費者が情報内容をすぐに確認できるようにするため、引き続き紙媒体を同梱することとする。

 

この日の部会で厚生労働省は、紙の添付文書について「迅速かつ最新の情報提供に必ずしも役立っていない」とした上で、最新情報を速やかに提供するため、記載情報の電子的な提供を基本とする方向性を提示。具体的には、医薬品に紙の添付文書を同梱することをやめ、製造販売業者が製品外箱にQRコードを表記して最新情報にアクセスできるようにし、製造販売業者または卸売業者が医療機関や薬局に赴き、紙媒体の提供を行いつつ、情報の電子的入手方法を伝えることとしている。

 

ただ、制度改正に当たっては十分な経過措置を設け、要指導薬と一般薬では消費者が使用時に情報内容をすぐに確認できる状態を確保する必要があることから、紙媒体の同梱を継続すべきとした。

 

これらの方向性に対して、山口育子委員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)は「全ての医薬品に紙媒体の添付文書が同梱されていることは資源の面で問題であり、ペーパーレス化を進めることが早急に必要」と賛同。乾英夫委員(日本薬剤師会副会長)も「電子化を推進し、災害時などでも確実に情報提供できるなど実行性があるものにすべき」と同調しつつ、「単に情報を羅列するのではなく、現在の添付文書の様式を含めて電子化することが大事」とした。また、花井十伍委員(ネットワーク医療と人権理事)は「古い医薬品ではどこに注目すべきかわかりづらいので、書式のあり方も検討すべき。添付文書を機能的にするチャンスでもあるので、最新の科学的知見に基づいたものにしてほしい」と注文をつけた。

 

一條宏委員(日本医薬品卸売業連合会薬制委員会委員長)は、「添付文書の責任は製造販売業者にあると考えている。今回の法改正で新たに卸売業者が責任を負うことがないよう十分に留意すべき」と配慮を求めた。これに対して、中川俊男委員(日本医師会副会長)は「紙の添付文書を医薬品と同時に納入する責任は卸売業者にもあると思う。法的に責任を明確にしないと医療機関に確実に情報が届かない」との意見を述べた。

 

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出典:薬事日報

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