医療機器

現場のひらめきをカタチに!「みんなのアイデアde賞」が決定‐国際モダンホスピタルショウ2018で紹介

薬+読 編集部からのコメント

7月に開催された「国際モダンホスピタルショウ2018」。そこで行われた、「現場のひらめきをカタチに!第11回みんなのアイデアde賞」受賞作を紹介します。
現場の改善を求める声からうまれた便利グッズ、準グランプリの「誤嚥防止用噛むストロー」は、商品化されれば薬剤師も患者さんにおすすめできそうです。グランプリは「カテーテル受け台」でした。

 「健康・医療・福祉の未来をひらく~世代と国境を越えた豊かな共生を目指して」をテーマに、7月11~13の3日間、東京ビッグサイトで開かれた「国際モダンホスピタルショウ2018」(日本病院会、日本経営協会の主催)。今回も多くの出展社による多彩な展示と、最新の情報を取り揃えた数多くのプレゼンテーションやカンファレンスが企画され、会期中の来場者数は8万人を超える盛況を見せた。

 

この中で特別企画として実施されたのが、「現場のひらめきをカタチに!第11回みんなのアイデアde賞」。昨年まで「看護のアイデアde賞」として行っていたが、第11回を迎える今年はリニューアルされ、看護に携わる人だけでなく、医療、介護、福祉に携わる全ての人々から、現場ならではの画期的な改善の工夫やアイデアを募集した。その結果、27団体35作品の応募があり、入賞7作品が選出された。

 

グランプリは諏訪赤十字病院(長野県)の「カテーテル受け台」で、カテーテルの接続口が他の物に触れないように置いておけるホルダーとなっている。内頸静脈に挿入されたカテーテルにルートを接続する際は、接続口が不潔にならないよう片手でカテーテルを保持している必要があった。同品は、カテーテル接続口を安定的に固定することで、カテーテルとルートの接続手技が未熟なスタッフが実施しても、感染リスクを軽減できる。

 

グランプリの「カテーテル受け台」
グランプリの「カテーテル受け台」

 

同病院のICU・救急病棟・血液浄化センターでは、常時2~3個所持しており、処置時に毎回使用している。カテーテルホルダーがないと処置できないスタッフがいるほど浸透しており、使いやすく評価が高いという。

 

準グランプリは榊原温泉病院(三重県)の「災害時足踏み式吸引器」と、東京工科大学医療保健学部看護学科(東京都)の「誤嚥防止用噛むストロー」の2作品。

準グランプリの「災害時足踏み式吸引器」
準グランプリの「災害時足踏み式吸引器」
準グランプリの「誤嚥防止用噛むストロー」
準グランプリの「誤嚥防止用噛むストロー」

 

前者は、吸引の必要な患者が多く入院しているため、災害発生時に備え安価で吸引器が作成できないかと考えた。ベッドのスプリンクラーのばねを使用、足踏みで吸引を可能に改良した。また、中央配管で使用の壁掛け吸引器も使用可能。足踏み式のため吸引動作も1人で可能で、足踏み式とジョイントを交換すれば移動し、複数の患者にも対応できる。粘稠度の高い喀痰、口腔内の喀痰の吸引が可能で、吸引後の処理が容易なのも特徴。

 

後者は、ストローの一部がポンプになっており、噛むことで水分補給ができるメディカルストロー。嚥下機能の低下した被介護者や患者のQOL向上を目指して開発した。ポンプに逆止弁を設けることで、寝たままでもこぼれない設計となっている。嚥下しやすい人には有益でやさしく、噛む力が残っている人には便利なストローである。

 

このほか、らくde賞は今給黎総合病院(鹿児島県)の「吸引楽ラック」、まごころde賞は金沢市立病院看護部(石川県)の「まごころポンチョ」、アクセサリー感覚でつくれるde賞は聖マリアヘルスケアセンター(福岡県)の「プラスチック粘土とレジン液でつくれる簡単自助具」、さらには特別賞(チームの見える化)として川越胃腸病院(埼玉県)の「『病院の見えないおシゴトの見える化』による委託スタッフのモチベーションアップ」が選ばれている。

 

受賞作品の詳細はウェブサイト(https://noma-hs.jp/)で紹介している。

アクセサリー感覚でつくれるde賞の「プラスチック粘土とレジン液でつくれる簡単自助具」
アクセサリー感覚でつくれるde賞の「プラスチック粘土とレジン液でつくれる簡単自助具」
まごころde賞の「まごころポンチョ」
まごころde賞の「まごころポンチョ」
らくde賞の「吸引楽ラック」
らくde賞の「吸引楽ラック」
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出典:薬事日報

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