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第103回薬剤師国試、合格率は70.58%‐合格者は105人増の9584人

薬+読 編集部からのコメント

2018年薬剤師国家試験の結果が発表されました。
危ぶまれた合格率ですが、新卒、既卒の合格者とも1ポイント前後下がったものの、
大幅減とはならず、厚生労働相は「前年と同様の結果」と総括しました。

相対基準3年目で安定期に

 

厚生労働省は27日、第103回薬剤師国家試験の結果を発表した(表参照)。受験者数1万3579人のうち、合格者は9584人で、合格率は70.58%だった。合格率は前回より1ポイント下がったものの、合格者数は105人多くなった。合格者の基準を、「得点率65%以上」の絶対基準から、平均点と標準偏差を用いて試験ごとに合格基準を決める「相対基準」に変更してから3年目を迎え、合格率が大きく変動しなくなったこともあり、安定期に入ったと見られる。厚生労働省は、今回の結果について「前回と同様の結果となった」とした上で、「新たな需要にしっかり応えられる合格者数ではないか」とした。

 

厚労省「前回と同様の結果」

 

6年制新卒者の合格者は7304人で合格率は84.87%、6年制既卒者は2151人で47.00%だった。新卒者は、前回の85.06%から0.19ポイント減で、既卒者は前回の50.83%から3.83ポイントの減となった。

 

合格率を男女別に見ると、男性が68.04%で、女性が72.30%だった。

 

大学の設置主体別の合格者数は、国立が543人(合格率83.67%)で、うち6年制新卒が442人(92.47%)、6年制既卒が30人(57.69%)、その他(旧4年制卒、受験資格認定者)が71人(59.66%)だった。

 

公立は254人(86.10%)で、うち6年制新卒217人(95.18%)、6年制既卒12人(38.71%)、その他が25人(69.44%)。私立は8787人(69.55%)で、6年制新卒6645人(84.11%)、6年制既卒2109人(46.93%)、その他33人(13.75%)だった。

 

大学別に合格率を見ると、90%を超えたのは5校、50%を下回ったのは7校だった。合格率がもっとも高かったのは金沢大学の97.50%で、広島大学92.86%、いわき明星大学92.31%、九州大学90.48%、武蔵野大学90.45%と続いた。

 

また、一般問題(薬学実践問題)の問127、問217、問224、問260、問292について、「複数の正解がある」「設問が不明瞭で正解が得られない」などの理由で、「複数の選択肢を正解として採点する」「全員を正解として採点する」などの措置をとった。

 

新卒の受験率、私大は89%

 

今回の国試は、1万4876人の出願者数に対し、受験者数は1万3579人で、1297人が受験しなかったことになる。

 

出願者数に占める受験者数の割合は91.2%で、6年制新卒者について見ると、出願者数が9555人、受験者数は8606人で受験率は90%と低くなった。

 

6年制新卒の受験率を設置主体別で見ると、国立大学が487人の出願者数に対し、受験者数は478人で98.1%、公立大学は同様に229人、228人の99.5%と高かった。

 

一方、私立大学では、出願者数8839人に対し、受験者数が7900人で89.3%と低く、大学側が出願しても合格が見込めない学生を受験させない“合格率操作”を行った可能性もある。

 

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出典:薬事日報

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