創薬・臨床試験

筋ジス薬の探索試験終了‐日本新薬が治験準備へ

薬+読 編集部からのコメント

国立精神・神経医療研究センターと日本新薬が行っていた早期探索的臨床試験が終了したと発表されました。対象となる疾患はデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)で、国産初のアンチセンス核酸医薬ということです。今後は上市に向け、日本新薬が臨床試験を引き継ぎます。

国立精神・神経医療研究センターと日本新薬は23日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を対象とした国産初のアンチセンス核酸医薬「NS‐065/NCNP‐01」の早期探索的臨床試験を終了したと発表した。同センター病院で10人の患者に投与したところ、核酸医薬の有効性、安全性が確認されたことから、日本新薬が企業治験として臨床試験を引き継ぎ、2018年の上市に向けて治験の準備を進める。

 

「NS‐065/NCNP‐01」は国産初のアンチセンス核酸医薬。エクソン53を取り除き、アミノ酸読み取り枠のズレを修正することで、DMDの筋機能改善を目指す。13年7月からヒトに初めて投与する医師主導の早期探索的臨床試験をスタートさせていたが、このほど予定していた投与を全て終えた。

 

早期探索的臨床試験は、同センター病院で10例のDMD患者を対象に、低用量群、中用量群、高用量群の3群で実施。主要評価項目の安全性のほか、ジストロフィン蛋白質の発現などの有効性についても評価を行った。

 

その結果、いずれの群でもエクソン53がスキップしてアミノ酸読み取り枠のズレが修正されたジストロフィンのメッセンジャーRNAが検出された。さらに高用量群の一部では、このメッセンジャーRNAから翻訳されたジストロフィン蛋白質の発現が確認され、DMDへの効果が期待される結果だった。

 

また、早期探索的臨床試験では重篤な有害事象の発生は見られず、投与中止例もなかった。現在、同センターは、安全性やジストロフィン蛋白質の発現などについて、詳細な評価を行っており、試験結果の概要は5月に開催される第18回米国遺伝子細胞治療学会、第56回日本神経学会学術大会などで発表する予定。

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出典:薬事日報

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