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14年度は7208億円と堅調な伸び‐矢野経済研究所の健食市場調査から

薬+読 編集部からのコメント

2014年度の国内健康食品市場調査の結果に関するニュースです。市場規模は2010年度から右肩上がりで推移し、2014年度は0.2%増が見込まれていると伝えられています。2015年春からは食品の機能性表示制度も導入され、健康食品への注目はより高まりそうです。

今後の健康食品市場は、店頭での機能性表示の訴求など“売り方”が重要な要素にもなってくる
今後の健康食品市場は、店頭での機能性表示の訴求など“売り方”が重要な要素にもなってくる

 

健康食品市場は、近年は国民の健康意識の高まりや、豊富な製品が市場に登場し、堅調な推移を見せている。市場調査・総合マーケティングの矢野経済研究所(東京中野区)が先頃まとめた、2014年度の国内健康食品市場調査によると、市場は前年度比0・2%増の7208億円(メーカー出荷金額ベース)と見込んでいる。この中では、今春から導入された食品の機能性表示制度が、米国同様に日本の健康食品・サプリメント市場にも追い風になるのではと、注目される動きとして挙げている。

 

今後は機能性表示の動向も注目

調査は、昨年9月から今年1月にかけ、同社専門研究員が健康食品メーカー、一般食品メーカー、製薬会社、関連団体、管轄官庁等に直接面談、電話・FAXによるヒアリング、文献調査などを併用し実施した。同調査における「健康食品」とは、機能性を追求した食品で、その形状が錠剤、カプセル、粉末、ミニドリンクタイプ等の商品を対象としている。

 

矢野経済研究所による健康食品市場規模の推移は、10年度が6960億円(前年度比3・0%増)、11年度が7053億円(1・3%増)、12年度が7091億円(0・5%増)、13年度が7196億円(1・5%増)と推計している。14年度については0・2%増の7208億円の見込みとした。

 

近年の市場拡大要因としては、「高齢化社会の進展、アクティブシニアの増加、中高年齢層における生活習慣病予防や美容・アンチエイジング意識の高まり、加齢に伴う身体上の悩みに対する意識の向上を背景に、健康食品に対する需要が堅調であること」を挙げる。また、13年度から14年度にかけて、消費増税による駆け込み需要とその反動の影響が見られ、特に増税後における消費の冷え込みの影響が、健康食品市場にも及んだ様子だ。

 

同レポートでは、今年4月からの食品の新機能性表示制度が、健康食品業界において追い風になるのではとする。「当該制度の費用対効果を慎重に見極めたいとする健康食品販売業者がいる一方で、準備が整い次第、早急に展開を開始したいとする販売業者も散見される」ようで、同表示制度は消費者が自らの健康状態に応じた適切な製品選択の一助になることもあり、業界としても注目度が高いようである。

 

13年度の販売チャネル別構成は、無店舗販売(訪問販売、通信販売)74・3%、店舗販売その他25・7%で、12年度と大きく変化はなかったものの、無店舗販売の中では訪問販売の構成比が縮小し、通信販売が拡大する傾向が続いた。

 

店頭販売では、ドラッグストアを中心とした薬系チャネルが13年度は952億円(2・4%増)と好調であった。「食品の新機能性表示制度は、特にセルフ販売が主体のドラッグストアやコンビニにおいて追い風になることが予想され、健康関連商材のワンストップショッピングに力を入れるドラッグストアでは、当該制度に対応した売場作りを進めるものと考える」とする。

 

近年の素材動向では、一般消費者の認知度が高い素材、効果が想起しやすい素材、効果実感を得やすい素材が好調に推移する傾向が続いている。13年度市場規模では、関節対策として定番となったグルコサミンが497億円(7・1%増)と引き続き高い成長性を維持したほか、オメガ脂肪酸の摂取に対する意識が高まりを見せる中で、DHA・EPAが224億円(10・3%増)と好調に推移した。また近年、ダイエット訴求などで市場が拡大していた植物発酵エキス(酵素)は267億円(7・7%増)で、ブームから定着へと移行した感がある。

 

同レポート「2015年版健康食品の市場実態と展望」はA4判727ページ、税別価格11万円。詳細等は同社ホームページ(http://www.yano.co.jp/)。

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出典:薬事日報

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