医療

20年度薬価制度改革で関係業界から意見を聴取~薬価専門部会

薬+読 編集部からのコメント

2020年度薬価制度改革の論点整理にあたり、12月6日の中央社会保険医療協議会薬価専門部会では日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会の3団体が出席し業界ヒアリングが行われました。主なテーマとなったのは新薬創出等加算や長期収載品の薬価の段階的引き下げについてです。後発品の置換え率が80%以上になった場合に、後発品の上市後10年を待たずにG1ルールを前倒し適用する提案について、業界側は「やむを得ない」と受け入れ姿勢を見せつつ2年の準備期間は必要不可欠だと主張しました。

中央社会保険医療協議会薬価専門部会は12月6日、2020年度薬価制度改革の論点整理についての業界ヒアリングを行った。両論併記となっていた「新薬創出・適応外薬解消等促進加算(以下、新薬創出等加算)」の対象品目を比較薬として「類似薬効比較方式I」で薬価算定する場合の累積加算額の控除時期では、一定期間後とする案を支持。実施時期は収載後6年が妥当との見方を示した。

 

ヒアリングには、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会の3団体が出席した。新薬創出等加算の企業指標では、過去5年間の革新的新薬の収載実績などの新規追加、既存指標の過去5年間の新薬収載実績に画期性を考慮した重みづけを導入―などを打ち出した論点整理の提案を、「企業規模の影響が一定程度緩和される」と評価した。品目要件では、先駆け審査指定制度の対象品目と薬剤耐性菌の治療薬の追加を歓迎する一方で、改正医薬品医療機器等法で創設される「特定用途医薬品(小児用法用量設定など)」などの追加を引き続き検討するよう要請した。

 

新薬創出等加算対象品目を比較薬として、「類似薬効比較方式I」で新薬の薬価を算定する際の比較薬の累積加算額の控除時期について、論点整理は▶「類似薬効比較方式II」の場合と同様、薬価算定時に控除、▶収載から一定期間内に新薬創出等加算の対象になる効能追加などがなければその時点で控除―の2案を示している。これに対し業界側は、後者を支持する考えを表明。収載から累積加算額控除までの期間設定に関しては、「6年くらいが妥当な線だ」と述べた。

 

 

■長期収載品のG1適用前倒しは「やむを得ない」

長期収載品の薬価の段階的引き下げでは、後発品の置換え率が80%以上になった場合に、後発品の上市後10年を待たずにG1ルールを前倒し適用する提案について、「やむを得ない」と、受け入れ姿勢を見せた。適用時期では、支払側が2年後の薬価改定時に置換え率が80%以上であることを再度確認した後、とする案に不満を示しているが、業界は先発企業が自社製品の置換え率を正確に把握するのは困難であることや、対応策の検討に時間を要することから、2年の準備期間は必要不可欠だと主張した。

 

既存後発品の価格設定では、3価格帯への集約で薬価が市場実勢価格以上に引き上がることがある現行ルールこそが、市場の公正な競争の阻害要因になっていると、論点整理の提案を全面支持。同案では、3価格帯の真ん中の価格帯について、上の区分から降りてきた品目のために薬価が引き上げられる場合は、改定前薬価が低い品目だけで加重平均する価格帯を別に設けるとしているが、業界は、同じルールを一番下の価格帯(統一名収載)にも導入するのが適当との認識を示した。

 

 

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出典:Web医事新報

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