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医療

徳島大薬学部が「新6年制」~4年制課程を発展的に融合

薬+読 編集部からのコメント

徳島大学薬学部(徳島市)では2021年度の入学生から4年制の創製薬科学科(定員40人)と6年制の薬学科(40人)の併設を廃止。国公立薬系大学では岐阜薬科大学、大阪大学に続き6年制の教育課程に一本化することになりました。既存の6年制課程を基盤に情報通信技術(ICT)活用などの教育を加えるほか、地域医療に焦点を当てた教育を新たに行う方針です。将来的には、学部同様に大学院を一本化することも視野に入れ、学部改編を大学院の活性化へとつなげ、博士号人材の課題を解決したい考えです。

■21年度入学生から一本化

徳島大学薬学部は、2021年度の入学生から4年制の創製薬科学科(定員40人)と6年制の薬学科(40人)の併設を廃止し、6年制の教育課程に一本化する。創製薬科学科での教育・研究体系を発展的に融合させた「新6年制課程」と位置づけ、薬剤師資格を持ち医療を理解した研究者を育成するコース(30人)と、高度な基礎力と研究マインドを備えた薬剤師を育成するコース(50人)を設ける。学内で数年間検討して概要を固め、昨年12月に文部科学省の承認を得た。4年制の併設を廃止し、6年制一本化に踏み切った国公立薬系大学は岐阜薬科大学、大阪大学に続き3校目となる。


新6年制は、同大薬学部の理念に基づき、幅広い知識や技能を身に付け、多様な薬学分野間で連携できる人材育成が狙い。同大薬学部は、17年度の入学者までは2学科を一括で募集。3年次に各学科に分かれるまで共通のカリキュラムで基礎、臨床の幅広い教育を行っていた。

 

しかし、18年度以降に4年制学科に入学した学生は薬剤師国家試験を受験できなくなったことを受け、同年度以降は入学時から学科別に募集し、カリキュラムも1年次から切り分ける形となった。このままでは理念に沿った人材を十分に育成できなくなると判断し、6年制への一本化に踏み切った。

 

新6年制課程で設置するのは「創製薬科学研究者育成コース」(定員30人)、「先導的薬剤師育成コース」(50人)の2コース。学生は2年次まで共通のカリキュラムで教育を受ける。定員80人のうち10人は学校推薦型選抜とし、入学段階でコースを選択する。残る70人は、3年次以降に進学するコースを2年次末に選択する。

 

創製薬科学研究者育成コースでは、医療を理解して創薬に貢献できる研究者や教育者の育成を目指す。研究に集中できるようにカリキュラムを改編。通常は4年次後期から5年次にかけて行う事前学習と実務実習を1年遅らせて、5年次後半から6年次にかけて行う。

 

学生は3年次の研究室配属から5年次前期まで、実務実習で分断されることなく2年半連続して研究に取り組める。

 

同コースにはさらに研究に特化した「PharmD-PhDコース」を数人の学生を対象に設ける。これは、4年次終了後に大学院に進学して研究力を身につけ、薬学博士を取得後、学部5年次に戻って実務実習等を受けて薬剤師免許の取得を目指すもの。このコースで、今まで以上に高度な研究者教育を展開する。

 

佐野茂樹薬学部長(写真)は、「これからの創薬を考えると、医療を理解して創薬に取り組める人材を育てなければならない。実務実習を経験し、薬剤師免許を取得することが医療の理解につながる。製薬企業からもそうした人材のニーズはある」と話す。

 

一方、先導的薬剤師育成コースには二つの選択肢を設ける。高度な基礎力と研究マインドを持ちチーム医療や先進医療において指導的役割を担う「研究型高度医療薬剤師」(40人)、同様に地域医療において指導的役割を担う「研究型地域医療薬剤師」(10人)を目指す道を設定。どちらに進むのかを学生に選んでもらう。

 

既存の6年制課程を基盤に情報通信技術(ICT)活用などの教育を加えるほか、地域医療に焦点を当てた教育を新たに行うことが特徴となっている。佐野氏は「県南部や西部では薬剤師が不足している。地域医療を担う薬剤師に加えて、防災・災害医療のリーダーになる薬剤師を育てたい」と語る。

 

将来的には、学部と同様に大学院を一本化することも視野にある。現在は6年制課程を終えた後に大学院に進む学生は少ない。佐野氏は「薬剤師免許を持ち、博士号を持つ人材が不足しつつある。このままでは薬学部の教員になり得る人材が枯渇しかねない」と危機感を示す。学部改編を大学院の活性化につなげて、博士号人材の課題を解決したい考えだ。

 

 

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出典:薬事日報

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