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薬剤師会

難病や希少疾患が申請対象~佐藤氏、患者レジストリ活用で見解

薬+読 編集部からのコメント

特定疾患で患者の治療内容や治療経過を管理するデータベース「患者レジストリ」。疾患登録システムの患者レジストリを用いた医薬品の承認申請について医薬品医療機器総合機構(PMDA)の佐藤大作組織運営マネジメント役が「現状の医薬品開発では難しい疾患に患者レジストリを活用していく方向性が一番分かりやすい」との見解を示しました。レジストリに関するガイドラインは今年度中にも策定され、難病や希少疾患を対象とした治験対照群やレジストリ内臨床試験、製造販売後調査などでの活用を想定しています。その信頼性確保に向けては、品質管理に最低限満たすべき基準を示すものの、十分な水準で信頼性が担保されているかを判断するための基準は疾患や使用目的に照らし合わせて慎重に検討していく考えです。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の佐藤大作組織運営マネジメント役(画像)は、本紙の取材に対し、疾患登録システムの患者レジストリを用いた医薬品の承認申請について、「現状の医薬品開発では難しい疾患に患者レジストリを活用していく方向性が一番分かりやすい」との見解を示した。今年度中にレジストリに関するガイドラインを策定し、難病や希少疾患を対象とした治験対照群やレジストリ内臨床試験、製造販売後調査などでの活用を想定する。患者レジストリの信頼性基準については、「GCPへの対応など治験と同等の要求事項にはせず、利用目的に応じた要件を定めたい」との考えを示した。


患者レジストリは特定疾患で患者の治療内容や治療経過を管理するデータベース。患者レジストリを用いた治験は、ランダム化比較試験を代替する実施方法として注目されている。免疫抑制剤「プログラフ」の多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎の適応追加申請や、低ホスファターゼ症治療薬「ストレンジック」の新薬申請では、国内外の後ろ向き研究で得た自然歴データが治験の外部対照群として用いられた。

 

製薬企業やアカデミアからの関心が高まっており、昨年4月にPMDAは、患者レジストリを用いた承認申請や製造販売後調査を実施する前に助言を受けられる「レジストリ活用相談」「レジストリ信頼性調査相談」を開設した。

 

通常の治験相談でもレジストリに関する相談が多く、新規に開設した相談枠も含め約1年半で21件の相談件数に上る。個別品目での実施計画について、製薬企業やアカデミアと合意に至れば承認申請に活用できるが、アカデミアや医療関連学会が保有する患者レジストリの信頼性基準にはバラツキがあり、「医薬品の承認申請にどこまで使えるか分からない」との声も多い。そこでガイドラインを策定し、基本的な考え方を示すことになった。

 

佐藤氏は、「開発者やレジストリ保有者を縛るためではなく、医薬品開発でより良くレジストリを使ってもらうためのルールや考え方を示したい。最初から押さえつけるようなガイダンスになるべきではない」と話す。

 

ガイドラインでは、患者レジストリの活用方法や承認申請として活用する場合の信頼性確保に関する留意事項を例示する。活用方法としては、▽試験計画時における実施可能性の調査▽外部対照群としての活用▽レジストリ内臨床試験▽製造販売後調査――の四つを想定。これらを活用する上で、患者レジストリを使う妥当性や評価項目の充足性を満たしているかなどの考慮すべき点を明記する。

 

基本的にはランダム化比較試験で対照群が集めづらい難病・希少疾患がターゲットになる。佐藤氏は「患者数が多い疾患は従来型の治験で実施する方が、より科学的に有効性・安全性を評価できる」と述べ、現状の医薬品開発で難しい場合に絞って患者レジストリを活用していくべきとの考えを示す。

 

レジストリの信頼性確保に向けては、品質管理に最低限満たすべき基準を示すものの、十分な水準で信頼性が担保されているかを判断するための基準は疾患や使用目的に照らし合わせて慎重に検討する考えだ。

 

佐藤氏は、倫理的な配慮や個人情報保護への対応に加え、コンピューターシステムで記録された内容の見読性や真正性、保存性の担保などは「最低限必要な要素になる」とした。

 

一方、アカデミアが構築したレジストリは患者の治療内容を記録・管理することを目的に作られていることが多く、「GCPのような治験の信頼性確保のルールをそのまま適用するのは難しい」との認識を示した。今後、製薬業界やアカデミア、医療関連学会と意見交換し、ガイドラインの最終化を目指す。

 

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出典:薬事日報

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