ハラスメント対策義務化 ~ 薬学部の実務実習生にも 厚生労働省
厚生労働省は2月26日、労働施策総合推進法の改正に基づき、「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」を発出した。これにより、10月からカスタマーハラスメント(カスハラ)と求職者等に対するセクシュアルハラスメント(セクハラ)の防止措置が事業主の義務となる。
薬局業界に対しては、同27日に日本保険薬局協会(NPhA)などの関係団体に対し、マニュアル策定に取り組むよう要請した。求職者等へのセクハラ防止に関しては、「教育実習、看護実習等の実習の受講」が対象に含まれ、薬学部の実務実習生も想定されている。学生が所属する大学の相談窓口担当者等からハラスメントに関する情報提供があった場合には大学と連携し、適切に対応することが求められている。
厚労省は、カスハラについて「顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行う、社会通念上許容される範囲を超えた言動により、労働者の就業環境を害すること」と定義している。電話やSNSなどインターネット上で行われる行為も含まれる一方で、顧客等からの苦情の全てがカスハラに該当するわけではないとしている。
事業主には、「カスハラには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する」という方針を明確にし、労働者へ周知・啓発することが求められる。相談窓口の設置など相談体制の整備、事後の迅速かつ適切な対応、特に悪質なカスハラへの対処方針を予め定めて周知し、実際に対応できる体制を整備する義務を負う。
一方、求職者等(就職活動中の学生やインターンシップ生など)に対しても、セクハラを防止するための必要な措置を講じることが事業主の義務となった。
パワーハラスメントについては努力義務とされているものの、必要な注意を払うことが望ましいと明記されている。求職活動等には「教育実習、看護実習等の実習の受講」が含まれ、薬学部の実務実習も該当すると見られる。
実務実習中のパワハラをめぐっては「受け入れ先の薬局で、指導薬剤師から大学名を理由に不当な差別を受けた」といった事例が報告されており、大学薬学部教員から対策強化を求める声が上がっていた。
実習生を受け入れる薬局や病院は、労働者への周知・啓発、相談窓口の設置、事実関係の確認および被害者・行為者双方への適切な対処などの措置を講じる必要がある。特にセクハラ事案の事後対応については、相談者や行為者等のプライバシー保護に配慮し、必要な事項を予めマニュアルに定めておくことが求められている。
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出典:薬事日報



薬+読 編集部からのコメント
厚生労働省が労働施策総合推進法の改正に基づき「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」を発出。10月からカスハラおよび求職者等に対するセクハラの防止措置が事業主の義務となります。