薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.03.23公開日:2015.12.23 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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休日・勤務時間外の過ごし方にクレームがあったら
休日・勤務時間外の過ごし方にクレームがあったら

私は喫煙者です。もちろん勤務時間中には喫煙しませんし、臭いなどには気をつけています。しかし先日、休日に近所の喫茶店で喫煙している姿を患者さんがご覧になったらしく、会社宛てに「薬剤師がたばこを吸うなんて」といったご意見がありました。禁煙することが望ましいとは思うのですが、すぐには難しいです。どうしたらいいのでしょうか。

Answer
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プロとして「そこまで?」と思うことをやる覚悟が必要

この場合はまず「近所の喫茶店」であるという時点で、「誰かに見られる可能性が非常に高い場所」という意識が必要だと感じました。もちろん可能性で言えば、どのような場所であっても患者さんに会う確率はゼロではありません。しかし、「近所」ということは患者さんに限らず、知り合いの誰かに会う可能性の方が高いと考えるべきでしょう。
休日ということを考えると、「そこまで気をつかう必要があるのか」と感じる人もいるかもしれません。しかし、多くの人がそこまでやるかと思うことをやることがプロフェッショナルであり、薬剤師としての覚悟になるのです。患者さんに見られたときには例え休日であっても、薬剤師としてのイメージを損なわない服装や行動を心がけるべきといえるでしょう。
 
喫煙すること自体については禁煙できればベストですが、なかなかそうもいかないと思います。とはいえ一般的なイメージとして喫煙は健康と対極のイメージにあるもの。喫煙する姿を患者さんが目にすることによって、健康をサポートする立場にある薬剤師の話が受け入れられにくくなるかもしれず、決して好ましいとは言えません。となると「患者さんに会う可能性が非常に高い公の場で喫煙をする」ことがいかにマイナスであるか、想像がつくと思います。休日にのんびりと一服したい気持ちもわかりますが、そこは少し我慢をして、人目につかない場所まで移動するといった努力が必要です。

小さなクレームは「不満がある」というサインでもある

もうひとつ注意したいのは、この患者さんは相談者さんの薬局や薬剤師に対して不満を持っている可能性があるということです。良好な状態を保っている場合、こういったクレームはあまり出ないもの。とても仲がいい人の行動については、人は基準が甘くなりがちだからです。しかし、何かしらの不満がある場合は「機会があれば文句を言おう」とチャンスをうかがっている状態なので、些細なこともクレームとして言われる可能性が高まります。
「そんなことまで?」という微妙なクレームが発生するということは、その患者さんが薬剤師、あるいは薬局に対して漠然とした不満を抱いている可能性が高いのです。クレームは決していいことではありませんが、現状に気がつくきっかけをくれたと思えばありがたいもの。特に注意を払い、この患者さんが何に不満を抱いているのか見極められるよう努めましょう。
常に地域社会から信頼される言動を心がけ、「プロの薬剤師」としての覚悟を持ちましょう。
常に地域社会から信頼される言動を心がけ、「プロの薬剤師」としての覚悟を持ちましょう。

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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