薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.03.23公開日:2018.02.01 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー

ドラッグストアで薬剤師扱いされない
ドラッグストアで薬剤師扱いされない

薬剤師として調剤併設のドラッグストアに勤め始めたのですが、品だしやカウンター業務が多く、お客さんから聞かれることの大半は「○○という化粧品はありますか?」というようなことばかりで、カウンターで販売する薬の説明をしようとしても聞いてくれません。薬剤師としてこれでいいのでしょうか。
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環境をいかせるかどうかは自分次第

調剤併設のドラッグストアに勤めた人から、こういった相談をよく受けます。厳しいことを言うようですが、就職先としてドラッグストアを選んだのはあなた自身です。ドラッグストアを選べば、品出しやカウンター業務をすることがあるかもしれないということは容易に想像できたはず。調剤の仕事だけしたいのであれば、調剤薬局を選ぶべきです。
また、ドラッグストアの業務が多いということは、調剤の仕事が少ない、つまり受付処方箋枚数が少ないということでもあります。会社側の事情があるにせよ、配属先についてはある程度予測できることなので、それを棚にあげて「品出しはしたくない」と文句を言うのは認識が甘いと言わざるを得ません。
ドラッグストアにはドラッグストアにしか学べないことがたくさんあります。せっかく目の前にOTCが溢れているのですから、誰にも負けないくらいOTCに詳しい薬剤師を目指してみてはいかがでしょうか。さらに、ドラッグストアには調剤薬局には来ないようなお客さんも多くいらっしゃるので、接客スキルを磨くチャンスも多いはずです。
私は、どんな環境であっても考え方一つで多くのことを学び、成長できると思っています。ぜひ、質問者さんも考え方を切り替え、「ここでどんなことを学ぼうか」と前向きに仕事に取り組んで欲しいと思います

次につなげるための接遇を常に心がける

また、「OTCを買いに来た人が説明を聞いてくれない」とのことですが、アプローチの仕方を見直すべきかもしれません。例えば「とにかく薬だけ買って早く仕事に戻らなければ」と思っている人にいろいろ説明しようとすれば「説明はいいから!」と思われて当然です。求められていない人に説明をしようとするのは、単なるひとりよがりです。押し付けにならないよう、その場は素早い接客を心がけ「もし副作用や飲み合わせなどで分からないことがあればいつでも相談してくださいね」と印象に残るよう最高の笑顔で対応してみましょう。そうすれば、薬のことで何か困った時、「あのドラッグストアには親切な薬剤師がいたな。相談してみようかな」と思ってもらえるはずです。
今回は1年目の新人の方からの質問だったので、敢えて非常に厳しい回答をさせていただきました。これを機に、「どんな状況にあっても成長しよう」と意欲的に取り組める薬剤師になってほしいと心から願っています。
どんな環境でも、考え方を変えれば大きく成長できる場所になる。マイナス面ばかりに気を取られず、プラスの面を探してみましょう。
どんな環境でも、考え方を変えれば大きく成長できる場所になる。マイナス面ばかりに気を取られず、プラスの面を探してみましょう。
村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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※投稿者の特定を避けるため、一部内容を変更して掲載しております。

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