薬剤師のためのお役立ちコラム 公開日:2022.11.15 薬剤師のためのお役立ちコラム

2023年「第108回薬剤師国家試験」の日程は?合格基準や過去の合格率を解説 執筆/河村武志(かわむら たけし)

2023(令和5)年2月18日・19日、第108回薬剤師国家試験が実施されます。出題基準や合格率、合格基準、願書提出や合格発表の日程まで、薬剤師国家試験に関する情報を詳しく解説します。

1.第108回薬剤師国家試験の日程は?

2023(令和5)年の「第108回薬剤師国家試験」は、2023年2月18日(土)・19日(日)の2日間にわたり実施されます。
 
試験日は毎年2月の第3土曜日・日曜日に設定されることが通例で、第108回薬剤師国家試験でもその通りになっています。試験地は北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県、福岡県です。

2.第108回薬剤師国家試験の科目と問題数

薬剤師国家試験の問題数は、「必須問題」が90問、「一般問題(薬学理論問題)」が105問、「一般問題(薬学実践問題)」が150問の合計345問です。薬学実践問題150問の内訳は、「実務」20問に加え、「実務」とそれ以外の科目とを関連させた複合問題130問とすることとされています。

 

■試験科目と問題数

 

試験科目は「物理・化学・生物」「衛生」「薬理」「薬剤」「病態・薬物治療」「法規・制度・倫理」「実務」の7つです。これらは相互に関連することから、問題の作成にあたっては重複のないよう配慮がされるようです。また、分野によって難易度の偏りがないよう調整されます。
 
例年、試験の具体的な時間割や試験会場は12月下旬に公表されています。

3.薬剤師国家試験の出題基準

薬剤師国家試験の出題の考え方として、「薬剤師として具備しなければならない基本的な知識、技能および態度を評価する問題とする」「高い倫理観、医療人としての教養及び医療現場で通用する実践力を確認することに配慮する」(厚生労働省「薬剤師国家試験出題基準」より)などとされています。
 
そのほか、「全般的な出題の考え方」として、以下の内容が示されています。

 

・資格試験として過度に難解な問題は避ける。

・問題の文章構成や条件設定に留意し、解答すべき設問肢の数が1つではない場合には、正解数を明記することを基本とする。

・可能な限り、正しいもの(又は正しいものの組合せ)を問う問題とする。

・画像や写真等を利用した問題の出題も検討する。

・各種基準等の数値は、記憶することが必須または極めて有用な数値である場合を除いて、数値そのものを問う出題はしないこととする。

・各試験法を問う出題については、保健衛生上の意義が大きく、かつ、当該科目において汎用されているもの、または原理的に重要なもののみを出題し、その意義、測定原理等、試験または測定実施のために必要とされる基礎知識を問うこととする。また、専門業務において習得すべき操作等の詳細は出題しないこととする。

・末梢的な事項や、一部の例外的な事項を取り上げるような問題の出題はできるだけ避ける。

(厚生労働省「薬剤師国家試験出題基準」より抜粋)

 

また、過去に出題された問題のうち「良質な問題として一定の評価が与えられた問題を活用する」とされています。そのため、過去問を十分に学習しておくことは出題の傾向をつかむ上で有効です。

ただし、近年は、おおむね過去問演習のみで対応できるような問題(類似問題など)の比率が下がり、より踏み込んだ学習をしなければ太刀打ちできない問題が増えつつあります。例えば、疾患や薬剤の幅広い知識をもとに、臨床の状況に即して考える力、実際にありうる問題を解決する力、現場で実践する力などを試す出題傾向もみられます。複数の疾患を抱えている患者さんや、ポリファーマシーの患者さんなども症例として提示されており、常に実臨床を意識しながら学習を進めることがポイントだといえます。
 
一方で、合格するために満点を取る必要はなく、まずは他の受験生の多くが正答できるであろう問題(正答率が高い問題)を取りこぼさないことが肝心です。逆に、正答率が低い問題に関してはある程度の割り切りが必要になることもあり、あまりに正答率が低い問題には補正が入ります(第107回試験では、難易度補正の結果、全員正解として採点された問題が1問ありました)。やみくもに勉強するのではなく、ポイントを押さえた効果的な対策で得点につなげていきましょう。

 
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4.薬剤師国家試験の合格率

薬剤師国家試験の合格率を確認しましょう。過去7回の薬剤師国家試験の合格率は、以下のように推移しています。

 

■薬剤師国家試験の過去の合格率

 

薬剤師国家試験の合格率は、およそ70%前後で推移してきたことが分かります。絶対基準から相対基準(経過措置あり)となった第101回は合格率が一気に跳ね上がりましたが、一時的なものでした。第104回からは禁忌肢が導入され、合格率が下がるとの予測もありましたが、目立った影響はみられませんでした。昨年の第107回は68.02%と、過去7回の中で最も低い合格率となりました。

5.薬剤師国家試験の合格基準

薬剤師国家試験の合格基準は、次のように発表されています。(1)と(2)を同時に満たす必要があります。

 

(1)問題の難易を補正して得た総得点について、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上であること。
 
(2)必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること。
 

(厚生労働省「『新薬剤師国家試験について』の一部改正について」より抜粋)

 

薬剤師国家試験の合格基準は、ここ数年でも変化があります。従来採用されていた「絶対基準」に代わり、第101回試験から「相対基準」が導入されました。そして、第106回試験からは「完全相対基準」に変わっています。そのため、何点を取れば合格なのか、合格発表まで分からないようになっています。
 
なお、第101~105回試験では、相対基準導入に伴う混乱を回避するため、経過措置が導入されていました。それは、「全問題への配点の65%以上であり、他の基準を満たしている受験者は少なくとも合格となるよう合格基準を設定する」(厚生労働省「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」より)というものです。つまり、合否を左右する基準点が全問題の配点の65%を上回ることはないとされていました。
 
ところが、第106回試験からは経過措置の取り扱いがなくなり、合格基準点の上限がない完全相対基準となっています。第107回試験では、合格基準(1)について、434点以上(得点率62.9%以上)が合格ラインとされました。なお、必須問題に関する合格基準(2)については、上記の記載通りの合格ラインとなっています。

 

また、合否の判断にあたっては、禁忌肢の選択状況が加味されます。禁忌肢を一定数以上選択した場合は、それをもって不合格となります。これまでの試験ではどれが禁忌肢なのか、禁忌肢が全部でいくつあるのかは公表されていませんが、第104~107回試験では「禁忌肢問題選択数は2問以下」であることが合格の条件でした。

 
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6.第108回薬剤師国家試験の願書はいつまでに出す?

第108回薬剤師国家試験の受験書類提出期間は2023年1月4日(水)~16日(月)とされています。出願方法には「直接提出」と「郵送」の2つがありますが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、郵送による手続きが推奨されています。
 
なお、在学中の方で出願時に卒業見込証明書を提出した場合は、2023年3月15日(水)午後2時までに卒業証明書を提出する必要があります(郵送で提出の場合は必着)。提出しなかった場合は、受験が無効となってしまうので注意しましょう。
 
詳しい提出書類や提出場所については厚生労働省のホームページを確認し、余裕を持って準備することをおすすめします。

7.第108回薬剤師国家試験の合格発表はいつ?

第108回薬剤師国家試験の合格発表は、2023年3月22日(水)午後2時です。厚生労働省のホームページの資格・試験情報のページに、受験地および受験番号が掲載されます。また、合格者に対しては合格証書が郵送されます。

 

無事試験に合格したら、薬剤師免許を申請する必要があります。申請に必要な書類をチェックしておきましょう。

 
► 薬剤師国家試験を終えたら…合格発表後の流れを確認する

 

薬剤師国家試験を突破するためには、まずは試験の構造や仕組みを知り、過去の合格率や合格基準などを把握しておくことも大切です。前回・第107回薬剤師国家試験合格発表特設ページも合わせて参考にしてみてください。問題そのものの対策に移るほうが効率的だといえるでしょう。プロのスポーツ選手がよくやるような、成功した自分(=合格した自分)を具体的に思い浮かべるイメージトレーニングもおすすめです。これから試験本番までの間、悔いなく勉強に打ち込めるよう応援しています!

 
► 詳しい試験情報や試験当日の持ち物はこちらのページでチェック

 

<薬読とマイナビ薬剤師では、合格発表当日に合格速報を配信予定です。お楽しみに!>


河村武志(かわむら たけし)

編集者。医療系専門出版社で臨床看護誌・看護学習誌・看護学教科書の企画・編集に携わったのちに独立し、編集プロダクション・ナレッジリングを設立。医学書・医療書の製作と医療系ネットメディアの編集に携わる。

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