27年度薬価改定へ議論開始 ~ 対象品目範囲めぐり火花 中央社会保険医療協議会薬価専門部会
中央社会保険医療協議会薬価専門部会は8日、2027年度薬価改定に向けて議論を開始した。診療報酬改定を伴わない中間年改定をめぐり、診療側の薬剤師委員は薬価と実勢価の乖離が大きい品目に対象を限定すべきと主張した一方、支払側委員は前回25年度改定からさらなる対象品目の拡大や各種算定ルールの適用拡大を求めた。
25年12月の大臣折衝では、27年度中間年改定について「着実に実施する」との方針が示された。26年度薬価制度改革では、対象品目の範囲や適用ルールについて「創薬イノベーションの推進」「医薬品の安定供給の確保」「現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減」といった要請のバランスを踏まえて検討するとされている。
前回の中間年改定では、1万7440品目中9320品目(53%)が対象となったものの、新薬創出等加算品目や後発品などは平均乖離率(5.2%)の1倍超、長期収載品は平均乖離率の0.5倍超とカテゴリー別に対象範囲を設定しており、対象品目の範囲や革新的新薬薬価維持制度の累積額控除など、実勢価と連動しない算定ルールの適用のあり方が今後の論点となる。
渡邊大記委員(日本薬剤師会副会長)は、「現場では安定供給が十分改善されない中で薬価改定が行われることへの不安がある」と訴え、中間年改定は価格乖離の大きい品目に限定し、実勢価改定と連動しない算定ルールについては「中間年改定の対象とすべきではない」と主張した。
また、不採算品再算定の取り扱いについては、「物価上昇やコスト増大への配慮が必要」と述べ、卸からの仕入れ価格が保険請求上の薬剤料を上回る逆ざや品などへの対応を求めた。
江澤和彦委員(日本医師会常任理事)も、安定供給への対応が必要な品目について「薬価改定によって納入できている品目の供給が再び滞るようでは意味がない」と述べ、一定の配慮を要請した。
その上で、中間年改定で生じる財源の一部を診療報酬本体へ充当すべきだと主張。「薬価制度改革によって適正化された薬剤費を国民に還元するという考え方には、医療の質向上による還元も含まれる。薬価改定で得られた財源の一部を診療報酬と一体的に捉え、質向上につなげる視点が重要だ」と述べた。
一方、支払側委員は、中間年改定の対象範囲拡大を求めた。佐竹陽一委員(健康保険組合連合会理事)は、「対象範囲を狭めたり一律の対応としたりすれば、イノベーション推進や安定供給確保に充てる財源が限定される可能性がある」と指摘。適用ルールについても「全てを議論の俎上に載せ、メリハリのある対応を行うべきだ」と求めた。
鳥潟美夏子委員(全国健康保険協会理事)は、「25年度中間年改定で適用したルールは最低限実施されるべきものだ」と主張。「対象範囲に一定の限定が必要であれば、25年度改定と同様にカテゴリー別に対象範囲を設定することには合理性がある」との認識を示した。
一方、26年度薬価調査は24年度調査と同じ形式で実施することを了承した。次回は製薬団体からの意見聴取を行う予定。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
2027年度薬価改定に向けて中央社会保険医療協議会薬価専門部会が議論をスタート。診療側の薬剤師委員は薬価と実勢価の乖離が大きい品目に対象を限定すべきと主張した一方、支払側委員はさらなる対象品目の拡大や各種算定ルールの適用拡大を求めています。