一般薬遠隔販売は厳格運用 ~ 改正薬機法の省令公布 厚生労働省
厚生労働省は6月30日、改正医薬品医療機器等法の2年目施行に向けた関係省令を公布した。デジタル技術を活用した一般用医薬品の遠隔販売について、薬剤師らが常駐しない「登録受渡店舗」を活用した新たな販売スキームの詳細が示された。施行は来年5月20日となる。一般用医薬品の受渡業務に関する外部委託制度が具体化されたが、手順書に基づく遠隔管理体制など要件は多く、コンビニエンスストア系が検討する登録受渡店舗の多拠点化は容易でないと見られる。一方、病院や薬局などの医療資源が限られる離島・へき地では一般用医薬品のアクセス拡大につながる可能性があり、需要が見込めそうだ。
一般用医薬品の受渡業務に関する外部委託では、薬局開設者は登録受渡業者と契約を締結した上で、登録受渡店舗に医薬品を保管し、購入者に引き渡すことが可能となる。これにより、一般薬販売は従来の薬局/店舗・オンラインに加え、受渡店舗を介した販売の3類型となった。
購入者は薬局・店舗販売業者の薬剤師または登録販売者とオンラインでやり取りを行い、その後、近隣の登録受渡店舗で受け取る仕組みだ。販売に関する法的責任は従来通り、委託元の薬局・店舗販売業者が負う。
制度運用に当たっては、薬局側に厳格な管理体制が求められる。実施に向けては、委託側である薬局開設者、受託側である登録受渡業者の双方から申請が必要となる。薬局開設者には受渡業務手順書・受渡委託販売等業務手順書の整備、受渡管理者の選任、登録受渡店舗における業務記録・報告体制の構築などが義務付けられている。
受渡管理者の要件は、第1類医薬品の受渡委託を行う場合は薬剤師、第2.3類医薬品は薬剤師または一定の業務経験のある登録販売者とした。また、登録受渡店舗が医薬品を販売していると誤認させる広告は禁止される。
制度の立ち上げ段階では、薬局・店舗販売業と登録受渡店舗は同一都道府県内に限定される。さらに、委託可能な登録受渡店舗数の上限についても、実効的な管理が可能かどうかの観点から個別に検証される仕組みが導入された。コンビニなどでは多店舗での受渡拠点化を構想する動きが見られるが、運用負担の大きさから導入ハードルはなお高い。
とりわけ、日常的な業務記録・報告、遠隔での管理体制を確保することなどが求められ、手順書の実効性など信頼性保証体制が必要になる。
医薬品アクセスの改善策では、薬局・薬剤師が不足する離島・へき地での受け渡しや、登録販売者のみが常駐する店舗において第1類医薬品の取り扱いを可能とする手段として活用が見込まれる。休日・夜間など従来対応が困難だった時間帯の供給手段としても一定の需要が想定される。当面は医薬品アクセスに課題を抱える地域での限定的な活用から進む公算が大きいと見られる。
一方、地域連携薬局の認定基準改正と健康増進支援薬局の創設に伴う基準整備も行う。地域連携薬局は、▽薬局薬剤師を地域包括ケアシステムに関する会議に年3回以上、薬局薬剤師が地域の医療機関関係者等に報告・連絡する利用者の情報については、当該利用者が入院・退院する場合または居宅等で療養する利用者の情報に限り年60回以上▽薬局の在庫として保管する医薬品を地域の他の薬局に年24回以上▽利用者の居宅等における調剤や指導等を年48回以上▽常勤薬剤師2.5人以上――などの要件を設定した。
健康増進支援薬局の要件では、▽過去1年間における関係行政機関、他の医療提供施設などと連携した健康増進支援活動の実施実績▽常勤薬剤師の半数以上が薬局に継続して1年以上常勤として勤務している、常勤薬剤師の半数以上が薬事に関する実務に従事した期間が一定の期間以上あり、かつ健康の保持増進の支援に関する研修を修了した者――などとした。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
厚労省が改正医薬品医療機器等法の2年目施行に向けた関係省令を公布(6月30日)。デジタル技術を活用した一般用医薬品の遠隔販売について、薬剤師らが常駐しない「登録受渡店舗」を活用した新たな販売スキームの詳細が提示されました。