登録販売者の身分法実現を ~ 指定第2類移行薬に対応 全日本医薬品登録販売者協会
登録販売者の職能団体である全日本医薬品登録販売者協会(全薬協)は、登録販売者の国家資格化と身分法制定に向け、国への働きかけを強める方針だ。改正医薬品医療機器等法の施行に伴い、指定乱用防止医薬品制度が創設されたほか、一般用医薬品の解熱鎮痛剤「ロキソニンS」のリスク区分が第1類から指定第2類へ移行する方向となるなど、登録販売者に求められる役割や責任は拡大している。こうした状況を踏まえた提言で、国家資格化や身分法制定の実現には既存の登録販売者試験合格者の位置づけなど多くの課題が残るものの、全薬協は様々な場で制度のあり方に関する提言を行っていく考えだ。
竹内和良会長(写真㊧)と杉本雄一副会長(写真㊨)が本紙の取材に応じた。竹内氏は「現在、都道府県ごとに実施されている登録販売者試験を全国統一試験にすることが前提となる。その上で、身分法制定に向けた議論が始まるのではないか」との見方を示した。
登録販売者は一般用医薬品販売の専門家として2008年に制度化され、25年度までの累計合格者数は約46万人に達している一方で、実際に薬局やドラッグストアで従事している人数などの実態は十分把握されていない。
近年は登録販売者に求められる責任も増している。5月に施行された改正薬機法では、従来の「乱用等の恐れのある医薬品」を「指定乱用防止薬」と位置づけ、販売時の確認や情報提供を薬剤師・登録販売者に義務づけた。
また、7月29日の薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会では、第一三共ヘルスケアの解熱鎮痛剤「ロキソニンS」のリスク区分変更が了承された。第1類医薬品として薬剤師に限定されていた販売が、登録販売者にも広がることになる。
しかし、法令遵守や適正使用の指導、乱用防止への対応などが求められる中、その職能を十分発揮できる環境整備は必ずしも進んでいない。ロキソニンSのリスク区分変更をめぐる議論でも、構成員から登録販売者による情報提供体制の充実を求める意見が示された。
杉本氏は「登録販売者が社会から信頼される存在となるために、全薬協として十分な役割を果たせていない」と述べ、現状に課題があるとの認識を示した。その上で、「都道府県の薬務行政は人員や予算に限界があり、一般用医薬品販売体制の整備や登録販売者の資質向上に十分対応できていない」とし、国による関与強化の必要性を訴えた。
登録販売者の活躍に向けて、全薬協は身分法の実現を主張する。杉本氏は「地域包括ケアにおける登録販売者の役割は依然として明確ではない。登録販売者の仕事を社会に正しく認識してもらい、店舗販売業者や薬局開設者から適正な評価や処遇を受けながら、その責任に見合った職能を発揮するためには身分法が必要だ。登録販売者制度のあり方について議論を深めるべき」と提言した。
全薬協は今後、登録販売者の資質向上策にも力を入れる。第1類から指定第2類へ移行する医薬品の増加を見据え、研修内容の充実と受講者拡大を図る方針である。
そのほか、組織基盤の強化に向け、全都道府県に下部組織を設置し、中央と都道府県組織による2層体制の再構築を目指す。竹内氏は、全薬協の研修制度について「まずは登録販売者の1割が受講する体制を目指したい」と話している。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
指定乱用防止医薬品制度が創設されるなど、登録販売者に求められる役割や責任が拡大する中、登録販売者の職能団体である全日本医薬品登録販売者協会が、登録販売者の国家資格化と身分法制定に向けて、国への働きかけを強める方針です。