「治験支援薬局」制度化へ ~ 改正GCP省令案を公表 厚生労働省
厚生労働省は、医薬品の臨床試験の実施基準を定めたGCP省令の一部改正案を公表した。医薬品規制調和国際会議(ICH)で「ICH-E6(ICH-GCP)」がR3として改訂されたことを踏まえ、治験参加者の保護や安全確保を柱とする「治験の基本原則」を新設する。分散型治験(DCT)の推進に向け、治験参加者が自宅近隣の薬局で治験薬を受け取れる「治験支援薬局」の仕組みを導入する。9月下旬に公布、その後にGCPガイダンスを発出し、来年4月に施行する計画だ。
改正案では「被験者」の呼称を「治験参加者」に変更する。治験参加者中心の考え方を反映し、治験参加者の保護と安全の確保、治験参加者や治験責任医師の負担への配慮、治験の質を考慮した計画・実施、治験従事者の役割と責任の明確化など11項目を基本原則として盛り込んだ。
また、治験依頼者から治験責任医師や治験審査委員会(IRB)への情報提供や意見聴取、治験中断・中止に関する文書の提出については、原則として電磁的方法で実施する。治験参加者への説明や同意取得についても、電子的に行う「eコンセント」を可能とする。
過度な品質管理に伴う医療機関等の業務負担増、いわゆるオーバークオリティの是正に向け、治験の質確保に関する基準を新設する。治験依頼者に対し、治験の質に影響を及ぼす要因やリスクを特定し、その最小化策を講じるなど適切なリスク管理を求める。内容は文書化し、治験責任医師に説明しなければならないとした。
一方、DCT推進の一環として制度化する治験薬交付薬局については、厚労省部会で用いていた「研究開発支援薬局」を「治験支援薬局」に名称変更した。
治験支援薬局は、治験実施医療機関への来院が困難な治験参加者が自宅近隣の薬局で治験薬を受け取ることを想定している。
十分な臨床観察を行える設備や人員を持ち、緊急時対応を行える体制を要件に治験依頼者が選定を行い、実施にはIRBの承認と治験依頼者等との契約締結を必須とする。薬局開設者には記録保存責任者と治験薬管理者の設置を求める。
このほか、副作用報告の合理化も進める。海外臨床試験で対照薬や併用薬が国内既承認薬の場合は個別症例報告や年次報告を不要とするほか、被験薬の海外市販後情報に関する個別症例報告についても、重要度の高い副作用を選別して報告する仕組みに見直す。
治験実施医療機関ごとに設置されているIRBについて、治験依頼者が直接審議を依頼できるようにし、多施設共同試験で一つのIRBが一括審査を行う「シングルIRB」の原則化を進める。そのほか、治験依頼者によるSMO(治験施設支援機関)への監督強化も規定に盛り込んだ。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
厚労省が医薬品の臨床試験の実施基準を定めたGCP省令の一部改正案を公表。医薬品規制調和国際会議で「ICH-E6(ICH-GCP)」がR3として改訂されたことを踏まえ、治験参加者の保護や安全確保を柱とする「治験の基本原則」が新設されています。