【米欧製薬団体調査】PMSの実施わずか28% ~ 安全性監視活動で対応可 米国研究製薬工業協会
米国研究製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)の合同調査で、両団体の会員企業22社が2025年度に国内で承認を取得した69品目のうち、製造販売後調査(PMS)を実施したのは19品目(28%)にとどまったことが分かった。承認品目に占めるPMS実施割合は近年大幅に低下しており、24年7月に発出された使用成績調査(全例調査)の実施要件見直し通知の影響で、新有効成分でも半数超がPMS未実施となった。また、PMS費用も大幅に低下し、25年度には5億円を超える調査はゼロとなった。
両団体は、25年度承認品目におけるPMSの実施状況に関するアンケート調査を実施した。PMS実施割合は18~23年度まで65~80%で推移していたが、24年度は47%、25年度は28%へと急減した。
申請区分別に見ると、「新効能」では34品目中26品目(76%)、「新有効成分」では21品目中12品目(57%)でPMSが実施されなかった。実施しない理由では「海外を含め十分な安全性情報が得られているため」が最も多く、副作用報告など通常の安全性監視活動で対応していた。
PMSを実施しなかった50品目のうち48品目は「企業が承認申請時から調査等を計画していなかった」と回答した。PMS実施の必要性について規制当局と企業の認識が概ね一致していたことがうかがえる。
背景には、24年7月に厚生労働省が発出した「日本人の治験症例数が少ないことのみを理由とした全例調査の実施を求めない」とする通知がある。日本の独自性が強いPMSをめぐっては、実施コストや医療機関への負担が大きい一方で、安全対策への寄与が小さいとの批判が上がっていた。
25年度に実施された19件のPMSのうち、特定使用成績調査は13件(69%)と最多だったが、全体のPMS件数が減少していることから、「新たな傾向とは考えにくい」と分析。使用成績調査の約3分の1は全例調査で、20年度以降その割合に大きな変化はなかった。実施理由として最も多かったのは「患者数が少ないため」だった。
一方、調査手法の多様化には依然として課題がある。データベース調査は5件で全体の25%を占めたが、前年度から増加は見られなかった。これまでと同様に使用成績比較調査の計画はなかった。
データベース調査を実施した5件の内訳を見ると、4件は「当初は調査を予定していなかったが、規制当局との協議の結果実施に至った」、1件は「企業が別の調査手法を提案したが、協議を経てデータベース調査に変更した」ケースだった。
企業から自発的に提案して実施した事例はなかった。実施しない理由として「必要なデータを集められない」「評価したいリスクを見つけられない」などの理由が挙げられた。
モニタリング費用を除くPMS費用は、14調査のうち「1億円未満」が4件、「1億~3億円」が9件、「3億~5億円」が1件だった。5億円超の調査はなく、調査コストの低下が鮮明となった。モニタリング費用については前年度から大きな変動はなかった。
PMSモニタリング担当者は「自社MR」が45%で最も多かったものの、23年度の70%、24年度の59%から低下した。自社MRが担当している企業のうち30%は、今後MR以外の担当者への切り替えを予定していると回答した。自社MRを担当者としない理由では、「営業組織のリソースを考慮」が最も多かった。
全例調査で同意取得を行っている企業は22社中14社(64%)に上った。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
米国研究製薬工業協会と欧州製薬団体連合会の合同調査によりますと、両団体の会員企業22社が2025年度に国内で承認を取得した69品目のうち、PMS(製造販売後調査)を実施したのは19品目(28%)にとどまったことが判明しました。