心不全再入院予防継続管理料は、2026年度診療報酬改定で新設されました。心不全で入院した患者さんの再入院を防ぐために、サポート体制を整えている医療機関を評価するものとなっています。本記事では、心不全再入院予防継続管理料の概要や点数・算定要件、施設基準、届出方法について解説するとともに、疑義解釈Q&Aも紹介します。

- 1.心不全再入院予防継続管理料とは?
- 2.心不全再入院予防継続管理料の点数
- 3.心不全再入院予防継続管理料の算定要件
- 3-1.心不全再入院予防継続管理料1
- 3-2.心不全再入院予防継続管理料2
- 3-3.心不全再入院予防継続管理料3
- 3-4.同一月や同一日に算定できない項目
- 4.心不全再入院予防継続管理料の施設基準
- 4-1.心不全再入院予防継続管理料1・2
- 4-2.心不全再入院予防継続管理料3
- 5.心不全再入院予防継続管理料の届出方法
- 6.心不全再入院予防継続管理料に関するQ&A
- 6-1.「関係学会のガイドライン」とは?
- 6-2.「心不全の予防指導に係る適切な研修」とは?
- 6-3.いつから算定できる?
- 7.心不全再入院予防継続管理料の理解を深めよう
1.心不全再入院予防継続管理料とは?
心不全再入院予防継続管理料とは、医科診療報酬の医学管理料等の一つです。2026年度診療報酬改定により新設されました。
心不全の患者さんの再入院を予防する観点から、慢性心不全の急性増悪を含む急性心不全で入院した患者さんに対して、早期から多職種による介入を実施し、退院後も必要な治療を地域で連携して実施した場合に算定できます。
参考:医科診療報酬点数表に関する事項|厚生労働省
参考:令和8年度診療報酬改定 13.重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション)|厚生労働省
2.心不全再入院予防継続管理料の点数
心不全再入院予防継続管理料の点数は、以下のとおりです。
| 区分 | 点数 | |
|---|---|---|
| 心不全再入院予防継続管理料1 (入院中1回に限り算定) |
1,000点 | |
| 心不全再入院予防継続管理料2 (1年を限度として月1回・外来で算定) |
6回目まで | 700点 |
| 7回目以降 | 225点 | |
| 心不全再入院予防継続管理料3 (1年を限度として月1回・外来で算定) |
6回目まで | 400点 |
| 7回目以降 | 225点 | |
参考:医科診療報酬点数表|厚生労働省
参考:令和8年度診療報酬改定 13.重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション)|厚生労働省
3.心不全再入院予防継続管理料の算定要件
心不全再入院予防継続管理料1は入院中に1回、心不全再入院予防継続管理料2・3は初回算定日より1年を限度に月1回に限り算定します。
| 対象患者 | 急性心不全を主病として入院した患者さん ※慢性心不全の急性増悪による急性心不全を含む |
|---|---|
| 管理・指導 | ● 専任の医師や看護師、または保健師、管理栄養士などの心不全再入院予防チームが、関係学会のガイドラインに基づき以下を実施 ○ 心機能の評価 ○ 原疾患の精査 ○ リスク評価 ● 必要に応じて以下を個別に実施 ○ 薬物治療 ○ 療養指導 ○ 食事指導 ○ 運動指導 など |
| 指導計画・記録 | 診療録、療養指導記録または栄養指導記録に以下を添付または記載 ● 心不全のリスク要因に関する評価・結果 ● 指導計画 ● 実施した指導内容 |
続いて、心不全再入院予防継続管理料1・2・3の算定要件について解説します。
3-1.心不全再入院予防継続管理料1
心不全再入院予防継続管理料1は、施設基準を届け出た医療機関の病棟に入院した患者さんに対して、次のアからウまでを満たす場合に算定できます。
| ア | 関係学会のガイドラインに基づいて、心機能の評価や原疾患の精査、リスク評価、必要な治療などを実施 |
|---|---|
| イ | 入院中に以下に掲げる早期離床・リハビリテーション加算または「H000」心大血管疾患リハビリテーション料を算定 ● 「A300」救命救急入院料 ● 「A301」特定集中治療室管理料 ● 「A301-2」ハイケアユニット入院医療管理料 ● 「A301-3」脳卒中ケアユニット入院医療管理料 ● 「A301-4」小児特定集中治療室管理料 |
| ウ | 入院中に「B001」の「10」入院栄養食事指導料または「B008」薬剤管理指導料のうち、いずれか1つを算定 |
3-2.心不全再入院予防継続管理料2
心不全再入院予防継続管理料2の算定要件は、以下のとおりです。
| 対象患者 | 初回算定日の6カ月以内に心不全再入院予防継続管理料1を算定した外来患者さん |
|---|---|
| 治療・評価 | 関係学会のガイドラインを基に、心不全再入院予防チームが治療効果の評価や薬物治療などを実施 |
| 指導 | 医師の指示のもと、以下のいずれかの1つ以上を個別に合計30分以上実施 ● 療養指導 ● 食事指導 ● 運動指導 |
3-3.心不全再入院予防継続管理料3
心不全再入院予防継続管理料3の算定要件は、以下のとおりです。
| 対象患者 | 初回算定日の6カ月以内に心不全再入院予防継続管理料1または2を算定した外来患者さん |
|---|---|
| 治療・評価 | 関係学会のガイドラインを基に、治療効果の評価などを実施し、必要な治療を継続して実施 |
3-4.同一月や同一日に算定できない項目
心不全再入院予防継続管理料と同一月・同一日に算定できない項目について解説します。
3-4-1.心不全再入院予防継続管理料と同一月に算定できない項目
以下については、心不全再入院予防継続管理料と同一月内に算定できません。
● 「B00 1-2-9」地域包括診療料(慢性心不全以外の慢性疾患等も有する患者さんについて算定する場合を除く)
3-4-2.心不全再入院予防継続管理料1と同一月に算定できない項目
心不全再入院予防継続管理料1を算定した患者さんが退院後、入院していた医療機関または「特別の関係」にある医療機関の外来を受診した場合、心不全再入院予防継続管理料1を算定した同一月に心不全再入院予防継続管理料2を算定することはできません。
3-4-3.心不全再入院予防継続管理料2と同一日に算定できない項目
心不全再入院予防継続管理料2は、同一の患者さんについて、以下を同一日に算定できません。
● 「B001」の「11」集団栄養食事指導料
● 「B001」の「13」在宅療養指導料
● 心大血管疾患リハビリテーション料
これらの指導は、心不全再入院予防継続管理料の療養指導などに含まれるものとみなされるため、別途算定することはできないとされています。
参考:医科診療報酬点数表に関する事項|厚生労働省
4.心不全再入院予防継続管理料の施設基準
続いて、心不全再入院予防継続管理料の施設基準についてお伝えします。
4-1.心不全再入院予防継続管理料1・2
心不全再入院予防継続管理料1と2の施設基準は共通しています。
| 1 | 以下の届出を行っている医療機関の病棟であること ● 一般病棟入院基本料 ● 7対1入院基本料 ● 10対1入院基本料 ※特定機能病院入院基本料 (一般病棟に限る)または専門病院入院基本料に限る |
|---|---|
| 2 | 医療機関内に以下から構成される心不全再入院予防チームが設置されていること ● 心不全指導の経験が5年以上ある専任の医師 ● 心不全指導の経験が3年以上ある専任の看護師または保健師 ● 心不全指導の経験が3年以上ある専任の管理栄養士 |
| 3 | 心不全再入院予防チームに所属する医師や看護師、保健師、管理栄養士のいずれかは、心不全の予防指導に係る適切な研修を修了していることが望ましい |
| 4 | 心不全再入院予防チームの医師、看護師または保健師、管理栄養士は常勤であり、常勤の薬剤師、理学療法士が医療機関に配置されていること |
| 5 | 心大血管疾患リハビリテーション料に係る届出を行っている医療機関であること |
| 6 | 医療機関内において、関係学会のガイドラインを参照した上で、「心不全診療に関する最新治療と多職種連携の意義」について、院内職員や地域の心不全再入院予防継続管理料3を算定する医療機関などを対象に、研修会をそれぞれ年に1回以上実施すること |
| 7 | 心不全再入院予防継続管理料3を算定する医療機関の求めに応じて、栄養食事指導を行うことが望ましい |
4-2.心不全再入院予防継続管理料3
心不全再入院予防継続管理料3の施設基準は、以下のとおりです。
| 1 | 医療機関内に以下から構成される心不全再入院予防チームが設置されていること ● 心不全指導の経験が5年以上ある専任の医師 ● 心不全指導の経験が3年以上ある専任の看護師または保健師 上記のうち、少なくとも1名以上は常勤であること |
|---|---|
| 2 | 心不全再入院予防チームに所属する医師や看護師、保健師のいずれかは、心不全の予防指導に係る適切な研修を修了していることが望ましい |
| 3 | 以下のいずれかと連携して、栄養管理が必要な患者さんに栄養食事指導を行うことが可能な体制を整備すること ● 心不全指導の経験が3年以上ある専任の管理栄養士 ● 心不全指導の経験が3年以上ある当該医療機関以外(公益社団法人日本栄養士会、都道府県栄養士会が設置・運営する「栄養ケア・ステーション」または他医療機関に限る)の管理栄養士 |
| 4 | 薬剤師、理学療法士が医療機関に配置されていることが望ましい |
| 5 | 医療機関が所在する地域で、心不全再入院予防継続管理料1または2の施設基準を届け出ている医療機関が主催する「心不全診療に関する最新治療と多職種連携の意義」についての研修会に参加すること |
参考:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
5.心不全再入院予防継続管理料の届出方法
心不全再入院予防継続管理料の施設基準に係る届出は、様式8の5を用います。
新たに届出を行う場合は、届出日から起算して1年以内に「心不全診療に関する最新治療と多職種連携の意義」の研修会を開催が決まっている必要があり、届出時に開催予定日が分かる書類を添付しなければなりません。
参考:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
6.心不全再入院予防継続管理料に関するQ&A
厚生労働省が公開している疑義解釈資料などを基に、心不全再入院予防継続管理料に関するQ&Aを紹介します。
6-1.「関係学会のガイドライン」とは?
心不全再入院予防継続管理料における「関係学会のガイドライン」は、日本循環器学会および日本心不全学会の「心不全診療ガイドライン」を指します(2026年4月1日時点)。
参考:疑義解釈資料の送付について(その2)令和8年4月1日|厚生労働省
6-2.「心不全の予防指導に係る適切な研修」とは?
心不全再入院予防継続管理料の施設基準における「心不全の予防指導に係る適切な研修」とは、以下の研修が該当します(2026年4月1日時点)。
2. 日本循環器学会「心不全療養指導士」
また、上記の他に、心不全管理に関する専門的な知識・技術を有する医師や看護師、保健師、管理栄養士などの養成を目的とした7時間以上の研修で、以下の要件を全て満たすものについても該当します。
2. 心不全の病態、薬物治療、非薬物治療、療養指導、食事指導、運動指導、地域連携に関する内容が含まれていること
3. 慢性心不全の管理に関する実習を含むこと
4. 医療関係団体が主催し、研修の修了証が発行されていること
参考:疑義解釈資料の送付について(その2)令和8年4月1日|厚生労働省
6-3.いつから算定できる?
心不全再入院予防継続管理料は、2026年度診療報酬改定が施行された2026年6月から算定することができます。
ただし、心不全再入院予防継続管理料2・3は、1の算定から6カ月以内となっています。そのため、心不全再入院予防継続管理料の算定を目指す医療機関は、院内の体制整備を行い、算定要件や施設基準を満たすことはもちろん、他医療機関と連携・情報共有をした上で算定の可否を判断する必要があるでしょう。
7.心不全再入院予防継続管理料の理解を深めよう
心不全は再入院率が高く、再発を繰り返しながら悪化していくのが特徴であり、再発予防には退院後の生活管理や薬物治療などのサポートが重要とされています。
心不全再入院予防継続管理料は、心不全患者さんの再入院を予防するために、2026年度診療報酬改定で新設されました。多くの病院が心不全再入院予防チームを設け、退院後のサポート体制を充実させることで、心不全の患者さんの予後の改善が期待されます。患者さんが退院後も安全安心に治療を継続できるように、地域で体制を整えることが期待されています。
参考:第2期循環器病対策推進基本計画指標一覧|厚生労働省

薬剤師ライター。病院・薬局で幅広い診療科を経験。現在は2児の子育てをしながら、Webライターとして活動中。専門的な資料や情報をわかりやすくかみ砕き、現場のリアルに寄り添う言葉で伝えることを大切にしている。同じ薬剤師として、日々の悩みやモヤモヤに共感しながら、少しでも役立つヒントや気づきを届けられるように試行錯誤中。
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