Q172 部下の仲が悪いとき上司はどうすべき?
Q172 部下の仲が悪いとき上司はどうすべき?
コミュニケーションのきっかけを作ることから始めましょう
とはいえ性格が対照的なスタッフであれば、確かにちょっと気を遣うかもしれません。自分のことに置き換えて考えてみると、性格が似ていると感じる人には、最初から好印象を持ちやすいので打ち解けるのも早く、自然と会話が弾む反面、自分とは性格が違うと感じる人に対しては、無意識のうちに距離を置いてしまう傾向があるように思います。
相談者さんの部下2人も、それぞれが一方的に「性格が合わない」「話しても分かり合えない」と思い込んでいるだけかもしれませんから、まずはコミュニケーションの機会を増やして、お互いを知り合うきっかけを提供してみてはいかがでしょうか。
相談内容からすると、そもそも会話自体がかなり少ないようですので、お互いに距離を縮めるきっかけがないだけの可能性もあります。あまり話をしないまま時間が過ぎると、「あえて今さら話さなくてもいいか…」と諦めとも言える気持ちになってしまいがちです。
そこで、2人の様子をうかがいつつ、相談者さんから「一緒にご飯行かない?」と誘ってみたり、共通の話題を探してみたりしてもいいでしょう。
万一仲たがいをしている場合、きっかけが何であれ時間が経てば経つほど互いに声をかけにくくなるものです。そんな時は、相談者さんが間に入って、「Aさんは○○について詳しいから、今度みんなで勉強会しませんか」「Bさんのヒアリングはいつも安定感抜群。是非コツを教えてもらいたいですね」などと、それぞれの良いところをさりげなく伝えてみるのも一つの方法です。
無理やり話に引き込むのではなく、自然な形で対話に加われるような話題を提供して、さりげなく対話のきっかけを作ってみましょう。
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仕事上の関係と割り切ってもらうことも大切です
好き嫌いはひとまず横において、仕事に関する場ということで、ある程度割り切ることも大切でしょう。嫌いな相手であればなおさら、業務に支障をきたさないようなコミュニケーション方法を身につける努力が欠かせません。
苦手意識があっても、対話のきっかけさえ増えれば、ちょっとした会話から相手の良さに気づいたり、今まで気づかなかった特技や特徴を知って相手に興味を持ったりするかもしれません。
例えば、当たり障りのない内容で構わないので、2人がいる場で相談者さんから話題を提供して、少しずつ対話が増えるように工夫してみてはいかがでしょうか。お天気やテレビなど身近にある話題を持ち出すことで頑なな気持ちがほぐれて、雰囲気がやわらかくなればしめたもの。共通の話題が見つかれば、自然と笑みがこぼれるようになるかもしれません。
信頼関係ができるまでは、コミュニケーションは質だけでなく量も大切です。2人の部下がお互いの良さを認め合えるよう、小さな対話の積み重ねをサポートしてほしいと思います。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
※投稿者の特定を避けるため、一部内容を変更して掲載しております。