薬剤師会

「地域の中での薬剤師」連携のあり方・方向性探る

薬+読 編集部からのコメント

1月12日(月・祝)に開催されたかながわ薬剤師学術大会のレポートです。体組成測定体験やお薬相談に多くの市民が訪れたほか、薬剤師会会員による一般発表や、シンポジウムでは他業種間での連携のあり方を探るなど、活発な意見が交わされた様子が伝えられています。

神奈川県薬剤師会と神奈川県病院薬剤師会は共催で12日、第13回かながわ薬剤師学術大会「地域の中で薬剤師を考えるパートII」を横浜市内で開いた。大会では「地域の中での薬剤師を考える」をテーマにシンポジウムを行い、病薬・開局の立場から他業種間を含め連携のあり方・方向性などを探った。また、会員による一般発表(口頭、ポスター)が行われたほか、公開講座「タニタ食堂に学ぶ。食習慣改善セミナー」による座学に加え、血管年齢測定やTANITA体組成測定の体験、お薬相談にも多くの県民・市民が訪れ、盛況のうちに閉幕した。

 

病薬「退院考慮した指導を」

シンポジウムで大船中央病院薬剤部の舟越亮寛氏は、病棟薬剤業務実施加算などによる入院業務の重要性を指摘しつつ、地域全体として患者にどう対処すべきという視点での、退院時指導の取り組み状況などを紹介。

「病棟薬剤業務実施加算の通知にも、退院時の薬学的管理指導について、可能な限り実施することと明記されている」とし、病薬による退院時指導の必要性を強調。退院時薬剤情報管理指導料については「退院時に、自宅でどう対応するかへのアドバイスが求められている」とし、患者をめぐる環境の変化を想定し、退院処方の有無にかかわらず、原則全例で退院時薬剤情報管理指導が実施されていることを示した。

 

糖尿病患者への対応‐患者の認識度確認が大切

糖尿病患者への対応について、薬局恵比寿ファーマシーの佐竹正子氏、元病薬の関口奈奈恵氏(関口調剤薬局支店)が事例を交え紹介した。

佐竹氏は、低血糖患者への薬局として、あるいは地元の東京都渋谷区の薬剤師会での取り組み状況を紹介。調査結果などから、糖尿病患者の重症度にかかわりなく、一定割合が低血糖への意識が低く、薬剤師による適切な指導、啓発が重要だと指摘した。

また、補食によりインスリン単位を抑えることができることを患者に説明しつつも、「緊急時の対応はブドウ糖」とし、道路交通法上の罰則規定が設けられたこともあり、特に自動車の運転時にはサイドポケットに入れておくよう指導しているとした。さらに、内科医が気づきにくい点として「眼科の受診が低い状況にある」とし、残薬をなくす指導、眼科受診の確認をすることだけでも、薬局の重要な役割だとした。

関口氏は、糖尿病患者に対応していた病院勤務の経験を踏まえ、「進行防止等、薬局のメリットが出せると思っている。ただ、(検査値等の)患者情報がなければ取り組みにくいのも事実」と指摘した。その上で「あまり難しいことを考える必要はないのではないか。患者にHbA1c値の確認や低血糖経験の有無を聞くだけでも、その患者の糖尿病に対する認識などが把握できる。継続的・発展的に対応できるのが薬局の良いところだと思っている」とし、患者とのコミュニケーションを通じ、指導のための手がかりが得られることを指摘。

また、ようやくコミュニケーションが取れるようになった事例などを示し、「まずは、(患者との)信頼関係を築くことが重要。関わる上では糖尿病療養指導士の資格は必要ないが、少しでも知識を身につけ、個々の患者に合った対応が重要。また、個々の薬局だけでなく、薬局同士の連携も必要」と述べた。

 

在宅療養後方支援病院‐薬局対象に合同研修会実施

藤沢湘南台病院薬剤部の小村裕子氏は、在宅療養後方支援病院の役割を果たす意味で、地域との連携ツールの一環として「安心連携カード」を作成、連携している地域医療機関と定期的にカードを配付した患者の情報確認を行っている。さらに、地域薬局との合同研修会、さらに一歩踏み込んだ「出前講座」の実施状況を紹介。

合同研修会では、地域薬剤師と医師とのディスカッションの場を提供、まだ処方箋に検査値の記載が行われない中で「直接、その必要性を訴えていただきたい」とし、研修会の機会を通じ、より地域連携を含めるための努力をしている状況が示された。ただ、課題として参加者の伸び悩みを挙げた。

出前講座では、薬剤師による講座メニューも用意され、地域住民の小グループの要望に対応する体制を整えている。院内にはスポーツファーマシストも在籍することから、様々なチャンネルで地域住民に対し、「自分の健康に責任を持ってもらえるよう支援していくことも大事」とし、病薬においても積極的に外に向けた活動を進めつつあることを示した。

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出典:薬事日報

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