医療費

かかりつけ料の成果検証を‐市販類似薬に追加負担提言

薬+読 編集部からのコメント

2016年10月21日(金)、政府の経済財政諮問会議が社会保障分野の給付と負担の適正化に向けた議論を行いました。出席した民間議員(有識者)からは、現行の薬価制度が技術革新などに対応できていないと指摘し、薬価制度を抜本的に見直すべきとの意見が出されたほか、かかりつけ薬剤師・薬局の成果を早期に検証するよう求める意見も出されています。

政府の経済財政諮問会議は21日、経済・財政一体改革に関して社会保障分野の給付と負担の適正化に向けた議論を行った。民間議員は、OTC医薬品に類似する医療用医薬品の追加自己負担や、かかりつけ薬剤師・薬局に対する調剤報酬に関する成果の早期検証を提言。現行の薬価制度が技術革新や高度医療に柔軟に対応できていないとし、薬価の毎年改定を実施するか、必要な医薬品を適切な時期に保険収載し、費用対効果を踏まえた仕組みへ薬価制度を抜本的に見直すよう求めた。

 

民間議員は、給付と負担の見直しに関して薬剤師の役割と調剤報酬の関係に言及。重複投薬を是正するため、医薬分業やかかりつけ薬剤師・薬局に対する調剤報酬の成果を早期に検証し、必要な改善措置を講じるべきと提言。かかりつけ薬局に対しては、かかりつけ医と連携し、栄養指導などの未病、重症化予防の役割を担うことも求めた。

 

長く市販品として定着しているOTC薬に類似する医療用医薬品については、経皮吸収型消炎鎮痛貼付薬などOTC薬の購入額と高齢者に処方された場合の医療用医薬品の医療保険支払額に大きな差があるといった問題意識を提示し、セルフメディケーションを促進するため、市販薬に類似する医療用医薬品には一定の追加自己負担を求めるべきとした。

 

さらに、社会保障費の拡大の主な要因に薬剤費の伸びを指摘。現行の薬価制度が技術革新や医療の高度化に適切、柔軟に対応できていないとし、薬価の毎年改定か必要に応じて保険収載でき、費用対効果を踏まえた薬価設定ができる仕組みへの薬価制度の抜本的見直しを提言した。ARBに代表される薬価が高い降圧剤など生活習慣病治療薬については、ガイドラインなどにより処方のあり方を適正化すべきとした。

 

後発品の使用促進については、政府目標の数量シェア80%に引き上げることで6000億円程度の医療費抑制が可能との試算を提示。一般名処方を推進すると共に、先発品名で処方する場合の理由記載などを通じ、後発品の普及を加速すべきとした。

 

若年者の年収10年分以上に匹敵するような高額な医療技術や医薬品が登場していることを踏まえ、これらを全て高額療養費制度で賄うのは限界があるとし、高額療養費制度のあり方と社会保険、民間保険との役割分担を見直すべきと提言している。

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出典:薬事日報

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