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ニボルマブにEGFR阻害剤、連続投与で重篤な肺疾患‐厚労省が注意喚起

薬+読 編集部からのコメント

抗癌剤「ニボルマブ」(製品名:オプジーボ)による前治療歴がある患者に対し、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤を投与した8例で重篤な間質性肺疾患が報告されたことから、厚生労働省が注意喚起しました。ニボルマブの添付文書でも「警告」などの項目では注意喚起されていますが、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の連続投与によってILDのリスクが増加するかは明らかになっていないということです。

厚生労働省は22日、小野薬品の抗癌剤「ニボルマブ」(製品名:オプジーボ)による前治療歴がある患者に対し、1日時点でEGFRチロシンキナーゼ阻害剤を投与した8例で重篤な間質性肺疾患(ILD)が報告されたことから、既往歴の確認など十分な注意と経過観察を行うよう都道府県や日本臨床腫瘍学会などに通知し、注意喚起を周知するよう要請した。

 

ニボルマブの前治療歴がある患者に投与後、ILDが確認されたEGFRチロシンキナーゼ阻害剤は、アストラゼネカの「オシメルチニブ」(製品名:タグリッソ)が6件、同社の「ゲフィチニブ」(製品名:イレッサ)が1件、中外製薬の「エルロチニブ」(製品名:タルセバ)が1件の計8件。そのうち、死亡例がオシメルチニブで2件、ゲフィチニブでも1件見られた。

 

既にニボルマブの添付文書でも、「警告」などの項目でILDに関する注意喚起が行われているが、現時点でニボルマブの投与後にEGFRチロシンキナーゼ阻害剤を連続的に投与することによってILDのリスクが増加するかは明らかになっていない。

 

そのため、厚労省は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤はILD患者、その既往歴のある患者に慎重投与とされているとし、投与に当たっては既往歴を確認すると共に、投与中の十分な注意と経過観察を行うよう都道府県や日本臨床腫瘍学会などの学会、日本医師会などの団体に通知し、注意喚起した。

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出典:薬事日報

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