薬剤師会

17年度改定調査】かかりつけ料に一定効果「薬局で丁寧な服薬指導可能に」‐患者の8割、一元把握を好感

薬+読 編集部からのコメント

2016年度の診療報酬改定で、かかりつけ薬剤師の評価部分が変更された影響を調べる調査が行われました。
前回の改定の目玉だった「かかりつけ薬剤師指導料」の同意取得数は平均28.2人と処方箋受付回数の約2%でしたが、届出薬局の約7割が「丁寧な服薬指導ができるようになった」と回答。
患者調査で、かかりつけ薬剤師の有無については、「いる」との回答は55.5%と半数以上。いてよかった理由を聞くと、「自分の飲んでいる薬を全て把握してくれること」が79.1%と最も多く、次いで「薬について分かりやすく説明してくれること」が65.8%でした。
同指導料を届け出ていない施設に理由を聞くと、「施設基準の要件を満たす薬剤師がいないため」が42.9%で最も多く、次いで「地域活動に参画している薬剤師がいないため」が36.7%との結果でした。要件を満たした上でも届け出ていない施設に理由を聞くと、最も多かった理由は「24時間対応が難しいから」でした。

かかりつけ薬剤師の評価に関する2016年度診療報酬改定の影響を検証した17年度調査の報告書がまとまった。保険薬局調査によると、前回改定の目玉である「かかりつけ薬剤師指導料」の同意取得数は平均28.2人と処方箋受付回数の約2%にとどまったが、届け出薬局の7割が「丁寧な服薬指導ができるようになった」と回答。患者調査では、薬の一元的把握についてが8割と最も効果を実感していることが分かった。かかりつけ薬剤師を持ちたいとの意向を持つ患者も約6割に上るなど、かかりつけ薬剤師が好感されていることがうかがえた。10日の中央社会保険医療協議会総会で了承された。

 


保険薬局調査では、かかりつけ薬剤師指導料の同意患者数について、今年6月に処方箋を持参した患者のうち、5月までに同指導料の「同意を得た」患者は平均28.2人、6月の1カ月間に同指導料を「算定した」患者は平均23.8人、算定回数は平均33.9回となった。同指導料を算定した患者の年齢構成で最も多かったのが75歳以上で43.4%と4割を占め、次いで65~74歳が22.2%と6割以上が65歳以上の高齢者だった。

 

また、同指導料の施設基準の要件を全て満たしているものの、かかりつけ薬剤師としての届け出をしていない薬剤師について「いる」と回答した薬局が9.4%あった。その理由としては、「24時間対応が難しいから」との回答が42.6%と最も多く、24時間対応が算定のハードルになっていることがうかがえた。

 

同指導料を届け出ていない施設で理由としては、「施設基準の要件を満たす薬剤師がいないため」が42.9%で最も多く、次いで「地域活動に参画している薬剤師がいないため」が36.7%との結果だった。

 

届け出ていない施設に今後の予定を聞くと、届け出の「具体的な予定がある」との回答が8.6%、「時期は未定だが届け出を検討中」が47.9%と、6割近くで前向きな意向がうかがえた。

 

届け出薬局に対して、かかりつけ薬剤師に対する評価の影響と効果を尋ねると、「丁寧な服薬指導ができるようになった」が「当てはまる」「どちらかというと当てはまる」を合わせて70.3%と最も多く、次いで「重複投薬・飲み合わせのチェックが行いやすくなった」が67.8%、「残薬解消を積極的に行うようになった」が67.7%などとの結果で、薬局で一定の効果を実感していることが分かった。

 

一方、患者調査で、かかりつけ薬剤師の有無については、「いる」との回答は55.5%と半数以上を占め、同指導料の算定に同意している患者では91.5%に上った。かかりつけ薬剤師が「いる」と回答した人に対し、いてよかったと実感した経験を聞くと「自分の飲んでいる薬を全て把握してくれること」が79.1%と最も多く、次いで「薬について分かりやすく説明してくれること」が65.8%となった。

 

また、かかりつけ薬剤師について重視することも、薬の全ての把握が7割と最も多く、患者からは薬の一元的な把握が求められていることが分かった。かかりつけ薬剤師を持ちたいかについては、「持ちたい」が43.7%、「どちらかというと持ちたい」が20.3%と、これらを合わせて64.0%が前向きに考えていた。

 

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出典:薬事日報

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