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【第109回薬剤師国試】山口東京理科大、初の合格率94%~合格者300人減も例年並み

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省が第109回薬剤師国家試験の結果を発表しました。受験者数1万3585人のうち合格者数は9296人で、前回から306人減少。合格率は例年並みの68.43%、合格ラインは前回より50点低い420点でした。大学別の合格率では、2018年に薬学部薬学科が設置されてから初めての合格率公表となった山陽小野田市立山口東京理科大学が94.06%と、名城大学の95.63%に次いで2番目に高い結果となりました。

厚生労働省は19日、第109回薬剤師国家試験の結果を発表した。受験者数1万3585人のうち、合格者数は9296人で前回より306人減少。合格率は68.43%で前回より0.57ポイント減少したものの、例年並みとなった。2018年度の薬学部薬学科設置後、初の合格率公表となった山陽小野田市立山口東京理科大学が全体の2番目となる94.06%と高く、好発進した格好だ。合格ラインは前回より50点低い420点となったが、厚労省は「難易度による不公平感はないのではないか」としている。

6年制新卒者の合格者は7100人で合格率は84.36%、6年制既卒者は2103人で42.42%だった。新卒者は前回の84.86%から0.5ポイント、既卒者は1.63ポイント低下した。また、合格率を男女別に見ると、男性が64.92%、女性が70.59%だった。

 

大学の設置主体別の合格者数は、国立が514人(合格率83.85%)、そのうち6年制新卒が416人(90.04%)、6年制既卒が36人(57.14%)、その他(旧4年制卒、受験資格認定者)が62人(70.45%)だった。公立は353人(85.68%)、そのうち6年制新卒が333人(90.74%)、6年制既卒が12人(36.36%)、その他が8人(66.67%)だった。私立は8428人(67.11%)、そのうち6年制新卒が6351人(83.71%)、6年制既卒が2055人(42.28%)、その他が22人(20.00%)だった。

 

合格率を大学別に見ると、90%を超えたのは5校で前回から2校増えた一方、50%を下回ったのは11校で前年と同数だった。

 

合格率が最も高かったのは、前年と同様に名城大学の95.63%で、18年度の薬学部薬学科設置後初の合格率公表となった山陽小野田市立山口東京理科大学が全体の2番目となる94.06%、金沢大学の93.33%が続いた。

 

新卒の合格率100%を達成したのは東京大学のみで、総数で100%となった大学はなかった。

 

1万5118人の出願者数に対し受験者数は1万3585人で、何らかの理由で受験しなかった人は1533人と前年の1419人から100人以上増えた。

 

合格者数が少なかった都道府県は、鳥取県の24人、島根県の33人、福井県の38人の順となった。

 

医薬局総務課の太田美紀薬事企画官は、合格者数・合格率について「例年と変わらない」との見解を示した。一方、合格基準点は420点と前回の470点から50点低下した背景に関しては、「ここ数年では低い点数と言える。要因として問題の難易度、受験者の学習レベルがあり、どちらがどれくらい影響を与えているかは分からないが、難易度が高い試験ではなかった」とした上で、「易しい設問もあった前回国試から難易度を標準化したが、相対基準の導入により合格基準が上下するので、難易度による不公平感はないのではないか」との見方を示している。

 

現在、厚生労働科学研究班が今後の国試のあり方に関する研究を進めていることについては「薬学教育モデル・コア・カリキュラム改訂後に入学してくる学生に対応した国試を目指し、基準の改定等を進めていくことにはなる」と述べた。

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出典:薬事日報

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