【オランザピン】糖尿病禁忌解除 ~ 抗癌剤投与時嘔吐に限定 薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は7月29日、チェプラファームの抗精神病剤「ジプレキサ錠、同細粒、ジプレキサザイディス錠」(一般名:オランザピン)について、添付文書の「使用上の注意」の改訂案を了承した。抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)に用いる場合に限り、糖尿病患者と糖尿病既往歴のある患者への投与禁忌を解除する。入院下で血糖コントロールが良好な患者に対象を限定し、投与前と投与中に毎日頻回の血糖モニタリングを実施することなどを条件とした。
オランザピンは2000年に統合失調症を効能・効果として承認され、市販後に重篤な高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡の症例が報告されたことから、02年に緊急安全性情報が発出され、糖尿病患者と糖尿病既往歴のある患者は禁忌とされた。その後、17年に抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)が効能追加されたが、禁忌の範囲は維持されていた。
今回、日本癌治療学会が化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)に同剤を使用する場合に限り、糖尿病患者への投与禁忌を見直すよう要望。高度催吐性リスクの抗癌剤治療では、5-HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬、デキサメタゾンにオランザピンを加えた4剤併用制吐療法が国内外のガイドラインで標準治療に位置づけられている一方、日本では糖尿病患者が禁忌対象のため、糖尿病を併存する癌患者が選択できないことが課題とされていた。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、国内でCINVの効能・効果により糖尿病患者へ投与された使用経験は少ないものの、入院下で血糖コントロールが良好な患者に対象を限定し、緊急時に十分対応できる体制を整えた上で、投与前と投与中に毎日頻回に血糖値を確認することを前提とすれば、CINVの効能・効果において禁忌から削除して差し支えないと判断した。
海外添付文書では、糖尿病患者や糖尿病既往歴のある患者への使用は禁忌とされておらず、血糖や高血糖症状のモニタリングを求めていることも確認した。
改訂案では、CINVに使用する場合に限って糖尿病患者・糖尿病既往歴患者の禁忌を解除する一方、統合失調症や双極性障害など他の効能・効果では禁忌を維持する。
投与に当たっては、オランザピン投与前および投与期間中に入院下で毎日頻回に血糖モニタリングを行い、投与後も血糖値が安定するまで患者の状態を継続的に観察する。
日本癌治療学会には、血糖管理の必要性や実施頻度を示す医療者向け資料、患者・家族向け資材の作成と周知を依頼する。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
チェプラファームの抗精神病剤・オランザピン(ジプレキサ錠、同細粒、ジプレキサザイディス錠)について、薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が添付文書の「使用上の注意」の改訂案を了承しました(7月29日)。