”漢方”に強くなる! まるわかり中医学 公開日:2024.01.11 ”漢方”に強くなる! まるわかり中医学

知れば知るほど奥が深い漢方の世界。患者さんへのアドバイスに、将来の転職に、漢方の知識やスキルは役立つはず。薬剤師として今後生き残っていくためにも、漢方の学びは強みに。中医学の基本から身近な漢方の話まで、薬剤師・国際中医師の中垣亜希子先生が解説。

 第99回 冷え性を改善する養生とは~「冷えは万病のもと」

「冷え(冷え症)」で悩んでいる人は多く、漢方薬局でもとてもよく相談されます。西洋医学とは異なり、中医学は「冷え」を病気としてとらえるので、体質・冷えのタイプ別の治療法、漢方処方(治療薬)、養生法が存在します。今回は、体質にあまり左右されない「冷えの養生法」について説明します。

1.意外と難しい「冷え」の分析

「冷え」は、一般的に「冷え性」とか「冷え症」と呼ばれます。「冷え性(冷え症)」が主訴の人もいますが、どちらかというと、主訴がほかにあって冷えもあるという人が、私の漢方薬局には多いように思います。
 
重度の冷え性の方は、辛さのあまり泣いてしまうレベルの冷えを抱えていることもあります。一般的には重大な病気ではないにしても、冷えは内臓の動きを悪くし、代謝機能や免疫力を低下させ、血液やリンパ液の流れを悪化させ…と、悪いことづくめです。長期に渡れば、いずれさまざまな病気の原因になり得ます。

 

温めてはいけない「ニセモノの冷え」もある!?

特に女性は、男性に比べて筋肉量が少なく脂肪が多いほか、月経によって血液を失うため、生理的にも病理的にも、男性に比べて冷えやすい傾向があります(最近は、若い男性からも冷え性の相談を受けます)。冷えを感じるとともに、ほてり・のぼせがある人も多く、その病機(病気の機序)は複雑です。
 
患者さんご本人の「冷えている!」という実感は本当の感覚ですから、一切否定すべきものではありません。しかし、中医学の専門家はその冷えが確かに温めるべきものなのかを、全身の情報を採集・四診し、注意深く分析しなくてはなりません。

 
🔽 中医学の診察法「四診(ししん)」について解説した記事はこちら

 

というのも、患者さんの「冷える感覚」には、中医学的に温めるべき「ホンモノの冷え」のほかに、温めてはいけない「ニセモノの冷え」が混じっているからです。
 
さらに、「ホンモノの冷え」がありながら、同時に冷やすべき「熱」も持っているということは多々あります。例えば、「下腹部や消化管は温めた方が良い。しかしメンタルに冷やさなければならない熱があり、そのせいで不眠症になっている」などです。
 
このように「寒・熱」の分析はとても難しく、中でも「冷え」は特に難しいです。もしもご自身が冷えに悩んでおられ、対策してもちっとも良くならないようなら、専門家に任せてみるのも一案です。

 

シナモン・唐辛子・ショウガで良くなるとは限らない

世間一般では、シナモン・唐辛子・ショウガなどの香辛料や辛味野菜が、冷え性(冷え症)に良いものとして紹介されることが多いようです。確かに「ホンモノの冷え」の一部には効果的で、それほど込み入った体質でなく、冷やすべき「熱」のない、シンプルな冷えなら問題ないでしょう。
 
ただし、冷えに良いと聞いて試した結果、体調が悪くなるケースもたまにあります。私が出会った患者さんの中には、唐辛子で吹き出物がでた女性、シナモンで全身に湿疹とかゆみがでた女性、お茶店の勧めでシナモンティーを飲みだしてからほてるようになった妊活中の女性、シナモンで動悸がする女性などがいらっしゃいました。
 
唐辛子・乾姜(かんきょう/乾燥生姜のこと)・八角・山椒・花椒などの香辛料と呼ばれるものの多くは、身体を強く温めるので、何かしらの熱がこもっている人には不向きです。もともとの熱っぽい体質に、さらに熱を加えることになってしまい、体質を悪化させる場合があります。
 
体質を考慮せず「“冷え”には◯◯!」と思い込むと間違いが起きます(中医学では間違った治療法を「誤治」といいます)。”身体にイイコト(情報)”が、「自分の体質に合うものなのか?」と考えることを、決して忘れてはなりません。

 
🔽 生姜の効能について解説した記事はこちら

2.冷えない生活:養生の真髄は「やってはダメなことをやめる」こと

「養生(ようじょう)」とは、「生き方」を「養う」こと。「生き方」とは、睡眠、呼吸、衣服、住居、食事の内容や摂り方、心の在り方など、生きることに関するすべてを指します。
 
養生の基本は、自分の体質にとって「やってはいけないこと」を「徹底的にやめる」こと。これは養生の真髄でもあります。やった方がいいことをたくさんするよりも、自分にとってやってはいけないことを徹底的に止める方が、手っ取り早く効果がでます。
 
どうしてなのか、分かりますか? どんなに身体にとって良いことをしていても、少しでも圧倒的にマイナスなことをしていたら、結局はマイナスの方が大きく身体に現れることが多いからです。
 
心身にとくにトラブルを感じていないなら、ゆるやかな養生もいいでしょう。しかし、もしも病気を治す、体質改善する、という明確な目標があるなら、「自分の体調を(もっと大げさに言えば、人生を)、より良くするぞ!」と決意し、努力できるかがとても大きな要(カナメ)になると思います。
 
本記事では、比較的どのタイプの冷え性にも役立つ養生法を紹介します。まずは、おおまかに「避けるべきこと」「できたらよいこと」の順にみていきましょう。最優先は「避けるべきこと」です。これができたら、一段階上の「できたらよいこと」を意識します。これは、冷えの養生にかかわらず、すべての養生に言えることです。

 

冷え症を改善するための「しないことリスト」

3.冷え改善のために 5つの「避けるべきこと」

冷え対策の養生で「避けるべきこと」は、おおまかに以下の5つがあげられます。順番にみていきましょう。

 

(1)冷たい飲食物を避ける
(2)ナマの状態のものを避ける
(3)ストレスをためない
(4)夜更かし・運動不足・喫煙・アルコールを避ける
(5)薄着をしない・冷房をかけ過ぎない・風に直接当たらない

 

(1)冷たい飲食物を避ける

「冷たい飲食は身体によくない」と聞いたことがある人は多いでしょう。「冷え」も「冷えで引き起こされる諸々の症状」も、冷たい飲食によって悪化することがあります。
 
例えば、頭痛で悩んでいる患者さんは多いですが、本人は頭痛と飲食の関連に気づいておらず、言われてみれば確かに!となることはよくあります。
 
また、本人は冷え性と思っていなくても、頭痛・腰痛・神経痛・生理痛・痔などを引き起こす原因が「冷え(寒邪)」であることもよくあります。
 
消化酵素が効率良く働くのは37度くらいです。冷たい飲食によって胃腸が冷やされると消化酵素の働きが低下し、胃腸での消化・吸収がされにくくなります。さらに、冷たい飲食が腸を刺激して下痢が引き起こされ、栄養を吸収しきる前に排出されてしまいます。
 
分かりやすくざっくりとしたイメージでお伝えします。胃に入った冷たい飲食は、胃のあたりの血液で、温められてから消化吸収されます。胃のまわりの血液は飲食を温めるために冷えますが、「気」または「陽気」のチカラが強い人は温めて元に戻せます。
 
しかし、そのチカラが弱い人=冷えに弱い人は温めるチカラが弱く、冷たい飲食によって不調が起きるのです(冷たい飲食によって、すぐに不調が起きないタイプの冷え性の人もいます)。
 
つまり、冷たい飲食は「気」または「陽気」のチカラでまず温められますが、冷えに弱い人はこの「まず温める」作業が負担です。はじめから温かいものを入れてあげると負担がひとつ減りますよね。それ以上に、冷たい飲食によって、もともと少ない「気」または「陽気」がさらに減ってしまうのを防げます。
 
脾胃(≒消化器系)が冷えると、飲食物の消化・吸収がうまくできず、身体に必要な「気・血・津液」を飲食物から作り出せなくなり、慢性的な「気・血・津液の不足=肉体的・精神的な虚弱さ」につながってしまいます。

 
🔽 気・血・津液について解説した記事はこちら

 

外食すると氷入りの水が提供されることがありますが、冷え対策のためには、冬でも夏でも極力避けましょう。キンキンに冷えたサラダ・豆腐・トマト・ビール…なども控えましょう。自宅でも冷蔵保存した料理は温め直してから食べることや、冷たい麦茶や牛乳を飲まないことを心がけ、冷たい果物なども気をつけましょう。
 
「じゃあ、常温ならいいですか?」と質問を受けますが、常温は季節によって変動しそうです。個人的には、冷え性の人が飲食するものは、内臓の温度(深部体温)を損なわないものがよいと思います。深部体温は脇の下で測る体温より1度高いくらいです。口に入れて口内が温かいと感じるもの、お腹に入った時にお腹が少し温かく感じるものがよいでしょう。

 

(2)ナマの状態のものを避ける

ナマの魚介類・野菜・果物などは、冷えを悪化させることがあります。先の冷たい飲食と合わせて、中医学ではこれらを「生冷飲食(せいれいいんしょく)」と言います。
 
先日、「社食で毎回冷えたサラダがついていて、食べるとお腹の調子が悪くなるんです…」と相談がありました。この方はもともと脾胃が弱く、お腹が冷えやすく、生冷飲食すると胃が痛くなったり下痢になったりするタイプです。
 
虚弱体質の方は、一度、調子を崩すと治るまでに時間がかかり、その分の漢方薬を多く飲まなければいけなくなります。その方は遠慮してサラダを温められなかったのですが、自分の身体のために電子レンジでホットサラダにして食べることにしました。
 
なので、私は一般的によく言われる「ベジファースト」に関して、生のサラダなど生野菜の場合は反対、温かい野菜なら大賛成です。野菜にこだわらず、初めに胃腸の粘膜に触れさせるものは「温かいもの」がよいでしょう。
 
私の気功の先生(中医師・気功師)も、果物をホットデザートにして召し上がるそうです。ある中国人中医師は、柿でもリンゴでもスイカでも果物を食べるときは必ず、冷蔵庫から出して電子レンジで数十秒温めて、ぬるくしてから食べるとおっしゃっていました(真夏でも)。胃腸が弱かった私ですが、上記を20代の頃から徹底的に意識するようにしてから、お腹がだいぶ強くなったように思います。
 
ところで、インドを旅行した際に、帰国してからも下痢が長期間続いたことがあります。「今こそ実験だ!」とばかりに、胃腸にやさしいとされる長芋をすりおろし、「ナマ」と「加熱」の両方を食べてみたのです。
 
結果、ナマはお腹の調子がますますおかしくなり、加熱した方はちっともお腹が嫌がる感じがしませんでした。本当に胃腸の状態が不安定なときは、長芋でさえナマは負担になるということを身をもって知りました。
 
会食などで出されるのが生冷飲食ばかりのメニューのときは(「おっと!生冷飲食ばかりだね…」と瞬時に認識できるようになることがまずは大切です)、温かいお茶やドリンクを注文しましょう。そして、私はお料理が常温に戻るまで、あまり手をつけません(笑)。
 
仕事などで、どうしても冷たい飲食物を口にしなければならない時は、温かいお味噌汁や温かいお茶などをしっかり飲んでお腹を温めてから、少しずつ冷たい飲食物を口に入れて、胃腸に直接冷たいものを触れさせないようにするとよいです。

 

(3)ストレスをためない

不満・我慢・理不尽・緊張など、精神的なストレスは、気の巡りを悪くします。中医学では、“温める作用”を“気や陽気の働き”と考えます。形の無い“気”が、形の有る“血や津液”を押し動かし、全身の代謝を活性化しています。
 
そのため、気の巡りが悪くなると、血や津液の巡りも悪くなり、結果として全身の代謝が回りづらくなります。

 
🔽 気の働きについて解説した記事はこちら

 

「ストレスで免疫力が落ちる」とよく耳にします。「気」は全身の体表を覆うようにめぐって、外界からの刺激(ウイルスや細菌、寒暖差、気圧差、花粉やハウスダストなどのアレルゲン)から人体を守ってくれています(気の防衛作用)。
 
しかし、精神的ストレスがあると、このバリア力が全体的に薄まったり、一部手薄になったりして、外界の影響を容易に受けてしまいます。また、精神的ストレスによって脾胃がうまく働かないと、気が生成されなかったり、うまくめぐらなかったりして、身体を上手に温めること(気の温喣作用)もできなくなります。
 
ちなみに、モデルさんや芸能人などが、いまだに「1日に水を2リットル飲むと痩せる・健康的」などと言っているのを見聞きしますが、誰でも一律なんてあり得ません。気は身体を温めるエネルギーであり、炎や火のような存在です。肉体にどれだけの気(エネルギー・パワー)があるのかは、人によって全く異なります。自分の消化能力・代謝能力を超えた分の水は、体内でダブついて「湿邪(余分な水の停滞)」となって、全身に悪影響を及ぼします。
 
雪が降って凍えるような日に、日本人はダウンを着て縮こまっているのに、超薄着の外国人を見かけてびっくりした…という経験はありませんか? これも、もともとの体温やエネルギーを発する力(宿している炎)の差です。
 
日本人は消化器系が弱いとされる民族で、欧米人に当てはまる健康法がそのまま適用できるとは限らないように思います。なかでも、日本人女性は虚弱な人が多い、と中医学の専門家の間でよく話題になります。

 

(4)夜更かし・運動不足・喫煙・アルコールを避ける

タバコやお酒が唯一のストレス発散という場合、それらを楽しむことで気のめぐりが良くなり気持ちが楽になるという面もあるため、頭ごなしに否定しにくい面もあります。しかし、タバコは発がん性物質を多く含み、血流を悪くしますから、なるべく控えましょう(できたらやめる)。
 
飲酒をし過ぎない(減らすorやめる)ことも、もちろん大切です。そのほか、夜更かしや運動不足も、気・血・津液のめぐりを悪くし、身体が冷えやすくなりますので気をつけましょう。

 

(5)薄着をしない・冷房をかけ過ぎない・風に直接当たらない

外気による冷えの影響を受けないように、シンプルに「薄着をしない」「冷房をかけ過ぎない」「扇風機の風に直接当たらない」といったことにも注意しましょう。職場でエアコンの風が直接当たる場合は、カーディガン・ひざ掛け・レッグウォーマーなど冷え対策グッズを常備しましょう。
 
職場環境が尋常でなく寒いケース(冷蔵室や冷凍室で働くなど)もあります。そういった場合は、これらの「避けるべきこと」に加え、次項からご紹介する「できたらよいこと」と、そして漢方薬を積極的に活用しましょう。

4.冷え性改善のための養生 2つの「できたらよいこと」

 

(1)火を通して加熱したものを、温かい状態で、飲食する

胃腸が弱い人、冷えを感じている人は「生冷飲食を避け」「火を通して加熱した飲食物を」「温かい状態で」摂ることが大切です。徹底すると、体質はだいぶ変化するはずです。
 
ナマの野菜や果物はたまに摂るだけにして、口に入れたとき冷たいと感じないくらい電子レンジなどで温めましょう。常温やぬるくしても胃腸をこわす、冷えて下痢をしやすいなど、本当に脾胃が弱っている人は、漢方薬で体質改善が進むまで、ナマの野菜や果物は避けることをおすすめします。

 

(2)「首・腰(お腹)・足首」の三つのくびれた部位を温める

首・腰(お腹)・足首の3つを温めると、身体全体がかなり温まります。暑過ぎるようなら、自分にとって必要などれか1~2個でもよいです。以下のツボも意識してみてください。
 
・首のツボ「大椎(だいつい)」
首を下に向けたときに、後ろ首にポコッと飛び出る骨があります。その骨のすぐ下のへこみが「大椎(だいつい)」で、このあたりを温めると免疫力が上がることが分かっています。ほんとうに寒いときやカゼをひきそうなときは、このあたりにカイロを貼るのも効果的です。
 
・腰のツボ「命門(めいもん)」 / お腹のツボ「丹田(たんでん)」
腰まわり・お腹まわりを冷えないようにすれば、内臓機能の働きを助けることにもつながります。重要なツボがたくさんあるエリアですから、おヘソから真裏の背中まで、ぐるりと一周温めるのもおすすめです。
 
お臍(ヘソ)のちょうど真裏(背中側)にあるのが「命門」です。「丹田」の場所はよく「臍下三寸」と言いますが、立位での下ではなく、本来は寝た状態で下、つまり、身体の内部、おヘソの奥3寸先にあります。おヘソのまわりには、「中脘(ちゅうかん)」「天枢(てんすう)」「関元(かんげん)」などの重要なツボがあります。興味のある方は部位を調べてみてください。
 
・足首のツボ「三陰交(さんいんこう)」
内くるぶしの膨らみから自分の指4本分上の骨にそった位置(骨の後ろ側)で、押すとイタ気持ちいい場所が三陰交です。名前のとおり、陰経3つ(脾経・肝経・腎経)が交差する場所で、脾・肝・腎に同時にアプローチします。婦人科系のトラブルにもよく用いるツボですので、覚えておくとよいでしょう。
 
私が20代の時の職場は建物が古く冬は激サムでしたが、これらを温めるウォーマーを身に着けることでホカホカに過ごせました。フレアパンツなら、レッグウォーマーをつけても傍からそうと分かりません。綿・ウール・シルク・化繊など、自分の肌と相性がよい素材を選ぶとよいでしょう。もっとしっかり温めたい人はカイロなどを貼り付けるのもおすすめです。
 
真夏は綿やガーゼのウォーマー、首まわりは手ぬぐい・タオルなどに変えて冷房対策をします。最近では紫外線対策を兼ねた薄手のストールなどもあるようです。自宅にいるときは一年中、首にはタオルを巻いて過ごすのがおすすめです。

おわりに.自分に必要なものを見極める目を

日本は新鮮な海の幸が豊富で、ナマの魚介類を食します。ナマものや冷たい飲食を好む傾向にあり、かつ多湿な環境であることから、日本人は脾(消化器系)が弱く、「脾虚+湿邪」の体質の人、「脾虚+湿邪+寒邪(冷え)」体質の人が多いと感じます。
 
自覚がないまま「冷えによって引き起こされる症状(原因と冷えと気がついていないケース)」に悩む人も、とても多いように感じます。
 
「コレを食べたら健康」「アレをすれば病気にならない」といった表面的な情報(こういった情報は商業的なものです)に流されず、自分に必要なものを見極める目を手に入れることが大切です。学校や親から習えることではないので、基本的には自分で意識して獲得するしかありません。
 
その判断材料のひとつとして、「中医学(気功・薬膳・漢方薬・鍼灸・推拿…等)」は、実用的だと思います。
 
軽い冷え性であれば、養生だけで楽になって、クスリいらずのこともあります。以前紹介した「足湯」も、内臓からしっかり温まるのでおすすめです。冷えがとても強いようなら、これらの養生とともに、体質に合った漢方薬を中医学の専門家に見立ててもらうと改善が早いでしょう。

 
🔽 生薬の足湯について解説した記事はこちら

 
 
参考文献:
・小金井信宏(著)『中医学ってなんだろう(1)人間のしくみ』東洋学術出版社 2009年
・丁光迪 (著)、小金井 信宏 (翻訳)『中薬の配合』 東洋学術出版社 2005年
・凌一揆(主編)『中薬学』上海科学技術出版社 2008年
・中山医学院(編)、神戸中医学研究会(訳・編)『漢薬の臨床応用』医歯薬出版株式会社 1994年
・神戸中医学研究会(編著)『中医臨床のための中薬学』医歯薬出版株式会社 2004年
・翁 維健 (編集) 『中医飲食営養学』上海科学技術出版社 2014年6月
・日本中医食養学会(編著)、日本中医学院(監修)『薬膳食典 食物性味表』燎原書店 2019年
・許 済群(編集)、王 錦之 (編集)『方剤学』上海科学技術出版 2014年
・神戸中医学研究会(編著)『中医臨床のための方剤学』医歯薬出版株式会社 2004年
・伊藤良・山本巖(監修)、神戸中医学研究会(編著)『中医処方解説』医歯薬出版株式会社 1996年
・李時珍(著)、陳貴廷等(点校)『本草綱目 金陵版点校本』中医古籍出版社 1994年

 
 
 

中垣 亜希子(なかがき あきこ)

すがも薬膳薬局代表。国際中医師、医学気功整体師、国際中医薬膳師、日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー、管理薬剤師。
薬局の漢方相談のほか、中医学・薬膳料理の執筆・講演を務める。
恵泉女学園、東京薬科大学薬学部を卒業。長春中医薬大学、国立北京中医薬大学にて中国研修、国立北京中医薬大学日本校などで中医学を学ぶ。「顔をみて病気をチェックする本」(PHPビジュアル実用BOOKS猪越恭也著)の薬膳を担当執筆。

すがも薬膳薬局:http://www.yakuzen-sugamo.com/