薬剤師の接遇マナー・テクニック 公開日:2017.02.07更新日:2023.03.23 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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現在の職場へ退職を申し出るには
現在の職場へ退職を申し出るには

現在の薬局から転職したいと考えています。転職先からはすでに内定が出ていて、退職を待ってもらっている状況です。しかし、これが初めての転職になるため、現在の職場にどのように話を切り出したらよいのか、わかりません。退職の理由も嫌いな同僚がいることが主な理由なので、話しづらいです。穏便に話を進めるためには、どうしたらよいのでしょうか。

Answer
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狭い業界だからこそ、円満退職を

退職する際、一番に注意するべきは勤務先に退職の意思を伝える時期です。会社の規程で「○ヵ月前までに申し出ること」などと決まっている場合はそれに従うようにしましょう。もし規程がない場合でも、引き継ぎのことなどを考えると、最低でも退職希望時期の1ヵ月前には申し出るのがマナーです。
退職の申し出については、まず直属の上司に話をします。あまり忙しくない時間帯などに、個別に話をする時間を取ってもらえるよう、上司にお願いしましょう。
 
退職理由として「相性のよしあし」というのはよくあることですので、正直に伝えても問題ありませんし、建前として別の理由を伝えてもかまいません。ただ、経営者側・マネジメント側としては本当の理由が知りたいという気持ちもあるでしょう。人を補充するのは手間もコストもかかりますし、もしもスタッフが次々に入れ替わるようなら、それについての対策を講じる必要があるからです。かといって、あれこれ不満をぶつけられるのもいい気持ちはしないので、様子をみながら本当の理由を言うべきかどうかを判断したいですね。

社会人として、仕事を引き継ぐ人のことも考えて

スムーズに受け入れられやすく、かつ印象も悪くなりにくいのは「ステップアップを目的とした退職」という理由かもしれません。例えば「より多くの科の処方箋を扱いたい」「漢方のことをもっと詳しく勉強したい」など。成長したいという前向きな理由であれば、よほどのことがない限り、無理に引き止められることはないはずです。
 
相談者さんの場合、すでに次の会社が決まっているということなので、「引き留められて予定したとおりに転職できない」という状態は避けたいところ。経営者側としては、こうした状況であれば、できるだけ早く申し出てほしいですね。社会人として、相談者さんの仕事を引き継ぐ人のことも考えて行動することを心がけましょう。退職するとはいえ、それまでは責任をもってご自身の仕事をやり遂げてほしいと思います。
薬剤師の業界は意外に狭いもの。どこで誰と誰がつながっているかわかりません。できるだけ穏便に、気持ちよく退職できるよう努めましょう。

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退職した後も、何かしらの形でつながる可能性が高い業界。円満退職でいい印象を残せるよう心がけましょう
退職した後も、何かしらの形でつながる可能性が高い業界。円満退職でいい印象を残せるよう心がけましょう

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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