薬局2km内移転は相談不要 ~ 遡及指定の基準明確化 厚生労働省
厚生労働省は、保険薬局や保険医療機関が移転・再編を行う際の指定期日の遡及および施設基準の「機能移転」に関する取り扱いの全面刷新を求める通知を地方厚生局宛てに発出した。昨年12月の中央社会保険医療協議会総会における議論を踏まえ、1957年以来の運用を抜本的に見直したもので、全国一律の客観的な距離制限や人員配置等の数値基準を明確化し、薬局経営における予見可能性を高める狙い。原則として9月1日から適用される。
従来の薬局の遡及指定をめぐっては、1957年と58年発出の通知をベースに、近年の不定期な事務連絡で補完されてきた。そのため、「調剤実態が変わらない」ことへの解釈が地方厚生局の裁量に委ねられる部分が大きく、M&A(企業の合併・買収)や店舗統合における経営リスクとして指摘されていた。新ルールの確立により、行政手続きの不透明さが排除され、薬局チェーンの経営戦略における予見可能性の大幅な向上が見込まれる。
今回の通知では、地域医療への影響が少なく迅速に処理すべき「簡素化事例」と、審査を要する「一般事例」の手続き、審査基準を明確に体系化した。
同一都道府県内で直線距離2km以内の所在地移転や、同一場所での個人から法人への生前組み替えといったケースについては、一定要件を満たせば地方厚生局への事前相談(予定届出書の提出)を不要とし、手続きを大幅に簡素化した。
簡素化ルートの適用には、カルテの引き継ぎや標榜科の継続に加え、旧薬局の薬剤師の「概ね8割以上」かつ常勤の「概ね5割以上」の継続雇用が厳格に求められる。
一方、2kmを超える移転や開設者変更が絡む「一般事例」への客観的基準が新設され、同一市区町村内または同一都道府県内の直線距離で6km以内であれば、一連の調剤体制や機能が維持されていると見なす距離の目安が明記された。3カ月前の事前相談を要する一般ルートにおいては、職員の継続雇用要件に柔軟な弾力措置が盛り込まれた。常勤薬剤師の直接の人数だけでなく、「常勤薬剤師数+非常勤薬剤師の常勤換算数」の和の概ね5割以上が維持されていれば、調剤実態が継続していると判断される。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
保険薬局や保険医療機関が移転・再編を行う際の指定期日の遡及および施設基準の「機能移転」に関する取り扱いの全面刷新を求める通知が、厚労省から地方厚生局宛てに発出されました。原則として9月1日から適用されます。