薬情報

【製薬協調査】日本人治験なし品目増加 ~ 通知で開発戦略に変化か 日本製薬工業協会

薬+読 編集部からのコメント

日本製薬工業協会の調査によると、グローバル開発品目のうち、第II相試験以降の国際共同治験に日本が参画しない成人対象品目で海外治験データのみを用いて日本人データを説明した品目が1割超に上ることが判明しました。

グローバル開発品目のうち、第II相試験以降の国際共同治験に日本が参画しない成人対象品目で海外治験データのみを用いて日本人データを説明した品目が1割超に上ることが、日本製薬工業協会の調査で分かった。前年調査から大幅に増加しており、希少疾病治療薬について日本人患者を対象とした臨床試験を実施せずに申請可能とした厚生労働省通知が企業の開発戦略に影響を及ぼし始めている実態が浮かんだ。

 

製薬協は、会員企業64社を対象に3月末時点で開発中または申請中だった1278プロジェクトの開発状況を調査した。プロジェクト数は調査開始以来増加傾向が続いており、2025年度は前年度比81件増となった。

 

国際共同治験の割合は前年度から3ポイント増の85%に達し、国内治験のみは2.8ポイント減の7.2%に低下した。国際共同治験を前提とした開発戦略へのシフトが一段と進んでいる。

 

国内治験のみの割合は外資系企業が1.4%だったのに対し、内資系企業は22%と差が見られた。開発領域では抗癌剤が39%を占め、引き続き最も高かった。

 

グローバル開発品目は1189品目で、日本での申請時期は「同時申請」が66%と約3分の2を占めた。同時申請には日本先行申請や他国での最初の申請から半年以内の申請を含み、このうち他国での最初の申請から2カ月以内の申請は3割を超えた。

 

第II相試験以降の国際共同治験に参画しない成人対象のグローバル開発品目は78件あり、このうち海外治験データのみで日本人データを説明した品目は11件(14%)だった。前年調査の1件(1.3%)から大幅に増加した。

 

希少疾病用医薬品の開発で日本人患者を対象とした臨床試験成績の提出を不要とする通知を活用した品目では、海外治験データを主軸に日本人データを補完する開発戦略が採用され始めていた。実際に通知の対象となった16件の大半で、海外治験を中心としたデータパッケージが用いられていた。条件付き承認制度の活用は2件だった。

 

海外で先行して臨床開発が進む医薬品について、国際共同治験開始前の日本人第I相試験を省略可能とした通知の運用状況も調査した。

 

その結果、日本人第I相試験を実施したプロジェクトは57%で、実施の要否について医薬品医療機器総合機構(PMDA)に相談した割合は10%とやや増加した。相談の結果、日本人第I相試験を実施しないことで合意した割合は89%だった。

 

新有効成分では「PMDAに相談せず企業判断で日本人第I相試験を実施する」とした割合が85%から66%へ大きく低下した。一方、日本人第I相試験を省略する割合は増加しており、通知発出後、新有効成分では第I相試験を実施しない開発戦略が採用され始めていることが示された。

 

日本人第I相試験を実施しない理由は、「非臨床試験および海外臨床試験データを活用できるため」が約7割で最多。「日本人に対する追加の安全確保対策を講じているため」も18%を占めた。

  • 薬剤師のための休日転職相談会
  • 薬剤師の転職・求人・募集はマイナビ薬剤師/5年連続満足度NO.1

出典:薬事日報

ページトップへ