薬剤師会

エンタイビオなど新規潰瘍性大腸炎薬が登場‐3件の承認・一変を了承

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で、「エンタイビオ点滴静注用300mg」など3件の承認と一部変更承認を審議し承認。また、その他2件の承認・一部変更承認等の報告がありました。

 薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は8日、武田薬品の潰瘍性大腸炎治療剤「エンタイビオ点滴静注用300mg」など3件の承認と一部変更承認を審議し、了承した。また、久光製薬の経皮吸収型持続性疼痛治療剤「フェントステープ」の承認・一部変更承認など2件の報告を受けた。

 

審議品目

 

エンタイビオ点滴静注用300mg(武田薬品):新有効成分のベドリズマブ(遺伝子組み換え)を含有するヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体で、既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎(UC)治療・維持療法を効能・効果とする。

 

用法・用量は、1回300mgを点滴静注し、初回投与後2週、6週に投与し、以降8週間隔で点滴静注する。再審査期間は8年。海外では60カ国以上で承認されている。

 

ジェミーナ配合錠(ノーベルファーマ):有効成分のレボノルゲストレルとエチニルエストラジオールを含有する新医療用配合剤。排卵抑制・子宮内膜増殖抑制作用により、月経期間中に起こる激しい腹痛・腰痛を改善する月経困難症治療剤のうち、合成黄体ホルモンであるレボノルゲストレルを配合したのはジェミーナが初めて。類薬にはルナベル配合錠、ヤーズ配合錠などがある。

 

用法・用量は、患者の生活習慣に応じて、1日1錠を毎日一定の時刻に21日連続間経口投与し、その後7日間休薬する28日間サイクルか、77日間連続経口投与し、その後7日間休薬する84日間サイクルのどちらかを選択する。

 

再審査期間は4年。海外では、米国で同一有効成分を同一量含有する製剤が「避妊」の効能・効果で承認されている。

 

トレリーフ錠25mg、同OD錠25mg(大日本住友製薬):有効成分のゾニサミドを含有するレボドパ賦活型パーキンソン病治療剤で、新たにレボドパ含有製剤を使用してもパーキンソニズムが残存する場合のレビー小体型認知症に伴うパーキンソニズムを効能・効果に追加する。

 

日本でレビー小体型認知症に伴うパーキンソニズムに対して承認された薬剤はなく、パーキンソン病に準じた治療が行われている。

 

用法・用量は、1日1回25mgを経口投与する。再審査期間は4年で、海外では抗てんかん剤としてのみ承認されている。

 

報告品目

 

フェントステープ0.5mg、1mg、2mg、4mg、6mg、8mg(久光製薬):有効成分のフェンタニルクエン酸塩を含有する経皮吸収型持続性疼痛治療剤。他のオピオイド鎮痛剤で治療が困難な場合の癌性疼痛を効能・効果とする。

 

今回、新たに0.5mg製剤が承認されたことで、現在よりも小さい0.5mg単位の減量幅で用量調節できるようになる。

 

再審査期間はなし。海外では開発されていない。

 

ジアグノグリーン注射用25mg(第一三共):有効成分のインドシアニングリーンを含有する肝・循環機能検査用薬で、血管・組織の血流評価の効能・効果を追加する。昨年12月の医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議で適応拡大の公知申請が妥当と判断され、今年1月の医薬品第一部会でも了承されていた。

 

再審査期間はなし。海外では英国とドイツで承認されている。

 

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出典:薬事日報

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