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ラニチジンの他剤切り替え、医療現場は安全性を不安視

薬+読 編集部からのコメント

発癌性物質のNDMAが検出されたラニチジンについて、厚労省が10月29日、今後の対応方針を薬事・食品衛生審議会安全対策部会安全対策調査会に示しました。方針にはラニチジン製剤を服用中の人に対して、自己判断で服用中止しないことを引き続き求めることが明記。しかし、医療現場側からは「他の薬剤の安全性が担保されていない状態で、どう切り替えたら良いのか不安になっているのが現状」と、情報を早急に現場に届けることを訴えられるなど、混乱ぶりが露出しています。

厚生労働省は10月29日、発癌性物質のN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が検出されたH2受容体拮抗剤「ラニチジン」について、今後の対応方針を薬事・食品衛生審議会安全対策部会安全対策調査会に示した。ラニチジン製剤を服用中の人に対して、自己判断で服用中止しないことを引き続き求めるほか、健康への影響リスクを評価し、医療者や患者に必要な情報を提供するとした。ただ、新たに治療を開始する場合は他の薬剤への切り替えを検討すべきとの厚労省の要請に対して、委員からは切り替えを不安視している医療現場の現状を訴える声が上がった。

 

この日の調査会では、厚労省が今後の対応方針を示した。同剤を服用中の患者に対しては、引き続き自己判断で服用を中止せず、医療者への相談を求めた。また、製造販売業者と国立医薬品食品衛生研究所でNDMA含有量を分析し、健康への影響を評価。医療者や患者に必要な情報を提供するとした。

 

ただ、舟越亮寛委員(亀田総合病院薬剤管理部長)は、他の薬剤への切り替えについて言及。「医療現場では、他の薬剤の安全性が担保されていない状態で、どう切り替えたら良いのか不安になっているのが現状。他の薬剤は問題ないとの情報をできる限り早めに現場に届けてほしい」と訴えた。

 

ラニチジンをめぐっては、9月に欧州と米国で製剤と原薬から微量のNDMAが検出されたことを踏まえ、厚労省は国内の製造販売業者に対して、適切な検査水準でラニチジン含有製剤の分析を求め、分析結果が判明するまで新たに製品出荷を行わないことを要請。暫定基準値を上回る場合は回収を指示した。

 

 

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出典:薬事日報

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