医療

薬剤師の配置基準緩和へ~「超急性期脳卒中加算」で

薬+読 編集部からのコメント

脳梗塞患者に対し、発症後4時間半以内に組織プラスミノーゲン活性化因子を投与した場合、入院初日に限り1万2000点を算定できる「超急性期脳卒中加算」の施設基準の見直しについて、中央社会保険医療協議会総会(12月4日)にて議論されました。2020年度診療報酬改定に向けたものですが、現状の施設基準である「薬剤師の常時配置」を満たせない医療機関がほとんどである現状を踏まえ、基準緩和に向けた見直し案に肯定的な意見が相次いだ模様です。

中央社会保険医療協議会総会は4日、2020年度診療報酬改定に向け、超急性期脳卒中加算の施設基準の見直しについて議論した。現在の施設基準である「薬剤師の常時配置」を満たせない医療機関が多数を占める現状を踏まえ、診療側から「施設基準を現状に合わせた内容に緩和すべき」、「多くの患者に適切な医療を提供できることに反対する理由はない」と見直しに肯定的な意見が相次いだ。

 

超急性期脳卒中加算は、脳梗塞と診断された患者に対して、発症後4時間半以内に組織プラスミノーゲン活性化因子を投与した場合、入院初日に限り1万2000点を算定できる。

 

施設基準として、日本脳卒中学会のガイドラインには記載されていない「薬剤師が常時配置されていること」などを求めている。一方、厚生労働科学研究班の調査結果では、同加算を算定していない理由として、「薬剤師の常時配置を満たしていない」が89%で最多を占めた。

 

この現状を踏まえ、厚生労働省は、施設基準を日本脳卒中学会のガイドラインに合わせるよう見直すことを論点として提示した。

 

松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は「安全性確保のために厳しめの施設基準でスタートしたが、その後は安全性が確認されている。現状に合わせた内容に緩和すべき」と賛同した。

 

有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)も「薬剤師の常時配置ができない施設が多かったのは残念」としつつ、「要件見直しで多くの患者に適切な医療を提供できることに反対する理由はない」と見直しに同意した。ただ、「医療安全の確保がしっかりと担保されている必要がある。既に要件を見たしている施設の体制が後退しないよう、必要に応じて薬剤師が参画することを明記してほしい」と訴えた。

 

 

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出典:薬事日報

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