医療

28年度に薬学部開学計画~3年前倒し、定員は約80人【沖縄県】

薬+読 編集部からのコメント

2月9日、沖縄県が「国公立大学薬学部設置に関する基本方針」を定め、2028年4月までの開学を目指す方針を公表。23年度以降に大学を選定したうえで、26年度には文科省に薬学部設置の認可申請を行う計画です。沖縄県では県内国公立大学薬学部設置推進協議会(22年11月)の基本方針素案では、「31年4月までに開学」というロードマップを提示していましたが、開学時期を28年4月に3年間前倒しされた形になります。

沖縄県は9日、「国公立大学薬学部設置に関する基本方針」を定め、2028年4月までの開学を目指す方針を公表した。来年度以降に大学を選定し、26年度には文部科学省に薬学部設置の認可申請を行う計画だ。入学定員は80人程度とし、地域枠奨学金や入学試験地域枠など卒業生が沖縄県に残り、慢性的な薬剤師不足の解消に寄与する方策を講じることなどが設置要件とされた。

 

昨年11月に行われた県内国公立大学薬学部設置推進協議会で県が示した基本方針素案では、「31年4月までに開学」というロードマップを示していたが、開学時期を28年4月に3年間前倒しした。

 

25年度から6年制薬学部の新設や定員増を抑制する方針を盛り込んだ大学等の設置認可基準を改正する告示案では、地域偏在の解消のため薬剤師確保を図るべき地域は「抑制の例外」とされているが、例外措置期間は一定期間となる可能性もある。協議会では「開学を急いだほうが良い」との意見も出て、薬学部設置に向けたプロセスを迅速化し、開学予定時期を早めることとした。

 

入学定員は基本方針の素案で示した100人程度から80人程度に下方修正した。大学薬学部の入学定員数を100人、80人とした場合に県内の病院・薬局に勤務する薬剤師数を県が試算したところ、需給に大きな影響がないことが判明。国が進める薬学部入学定員数の抑制策や少子高齢化による若年層の人口減なども加味して定員規模の縮小を決めた。

 

また、薬学部設置に必要な要件として、卒業生が沖縄県に残り、慢性的な薬剤師不足の解消に寄与するために、地域枠奨学金や入学試験地域枠、卒後研修などを設定することなどの方策を講じることとした。

 

教員確保に向けては、広く全国から公募を行うこと、既存の大学や医療機関、地方自治体との提携により計画的な人材確保を行うなど、過度な引き抜きで地域医療に支障を来さないような方策も講じるとした。

 

今後のスケジュールでは、来年度以降に設置先の大学を選定し、協定の締結、基本構想・計画の策定を経て、24年度からは教員確保や薬学部設置にかかる施設整備、26年度に文科省への設置認可申請、27年度に認可、28年度に開学というロードマップを描いている。入学定員抑制の例外措置を適用できるかについては「文科省と相談しながら対応していきたい」(県保健医療部衛生薬務課)としている。

 

薬学部設置を要望してきた沖縄県薬剤師会の前濱朋子会長は、「28年に開学というロードマップが示され、薬学部設置が現実味を帯びてきた。会員も喜んでいる」と歓迎した。

 

また、「薬剤師不足で県内で在宅や地域医療に参画できていない状況が続いていたが、薬学部設置の要件として卒後研修の実施が盛り込まれたため、卒後研修を組み合わせて地域で活動できる」と述べた。28年の開学時期については「25年度から薬学部新設が抑制となるので、28年を待たずに早めで動いてほしい」と要望した。

 

学生確保に向けては、「中学生、高校生の子供たちに対して大学薬学部を進路の選択肢に入れられるよう県薬でもPRしていきたい」との意向を示した。

 

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出典:薬事日報

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