医療

「協業体制構想」に前向き~日薬連が後発品企業再編で 産業構造検討会

薬+読 編集部からのコメント

後発品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会で、最終取りまとめに向けて業界団体へのヒアリングが行われました。日本製薬団体連合会は業界再編案として検討されている後発品企業による協業体制(コンソーシアム)構想に対し、前向きな姿勢を示しました。

後発品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会が8日に開かれ、最終取りまとめに向け、業界団体からヒアリングを行った。日本製薬団体連合会は、業界再編案として検討されている後発品企業による協業体制(コンソーシアム)構想に対し、「後発品の開発から製造、品質管理、供給に至るバリューチェーン全体が強靭化され、結果として品目(屋号)の統合、整理が進み、品質管理機能の向上、少量多品種生産の実態の改善や新たな生産余力の創出が期待できる」と評価した。

コンソーシアムは、同一成分で過剰に複数の企業が屋号を持っている場合、後発品メーカー数社に集約する構想。日薬連は目指すべき姿として、生産の効率化を進めるために製造拠点を移管・整理することを提言した。品目(屋号)の統一による品目数削減や生産拠点の整理・統合による大量少品種生産体制への移行を通じて、生産余力を創出する方向性を示した。

 

また、限られたQA・QC人材の有効活用と品質に対する責任体制の強化に向け、QA・QCに経験やスキルのある企業が自ら人材をコンソーシアム加盟の他社へ派遣するなどの取り組みを通じ、スキルの底上げを図る必要性も指摘した。

 

コンソーシアム形成には、独占禁止法や医薬品医療機器等法上の必要な措置が前提とし、採算性が著しく低い品目や不採算品目のコンソーシアム形成には財政上の措置を求めた。

 

コンソーシアム形成に応用可能な分野として、プライマリケア用内服固形剤、注射剤、高薬理活性医薬などを挙げたものの、全ての領域で適用可能ではないことや、コンソーシアムに参画するかどうかの判断は「あくまで個別企業に委ねるべきで、参画を強制するものであってはならない」と主張した。

 

日本ジェネリック製薬協会は、安定的に供給する仕組みについて有事認定の定義を明確化し、例えば「全ての同効薬が限定出荷となった場合」を有事と認め、緊急に必要な期間は独禁法に抵触せず、企業間で調整ができるよう提案した。

 

品目統合や有事における供給能力確保のための生産調整で、企業間の連携・協力を行う際には、独禁法の規制対象外とすることも要望した。

 

生産効率の向上についても「大きな効果が期待できるのは品目数の適正化」とし、「規格揃えルールの廃止・見直しも一定の効果がある」と意見表明した。

 

薬価削除プロセスの合理化は少量多品種構造の解消、生産効率化に重要とする一方、検討に当たっては医療上の必要性を考慮する必要性を示した。

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出典:薬事日報

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