医療

30年度に1000億円台へ~国内BS市場調査で予測

薬+読 編集部からのコメント

6月3日、富士経済が国内バイオシミラー市場予測を公表しました。バイオシミラー(BS)は先行品の特許切れに伴う製品増加などが影響し、20年度実績から37.5%増の1242億円突破と予測。また、30年度オーソライズドジェネリック(AG)市場についても60.8%増と大幅な伸長を予測しています。対照的に、同社が1~4月にかけて行った国内後発品市場調査によると、BS、AGを除く後発品市場の30年度予測は9.3%増に留まっています。

富士経済は3日、国内バイオシミラー市場が2030年度には20年度実績から37.5%増の1242億円と、1000億円台に乗るとの予測を発表した。バイオシミラー(BS)は先行品の特許切れに伴う製品増加などが成長を後押しする。また、30年度オーソライズドジェネリック(AG)市場については60.8%増と、大幅な伸長を予測した。

 

同社が関連メーカーのヒアリングや文献調査などに基づき、1~4月にかけて行った国内後発品市場調査によると、BS、AGを除く後発品市場は9.3%増と対照的な結果となった。

BS市場については、有効性や安全性の高いバイオ医薬品の特許が切れることで、製品が増加しているという。大手新薬メーカーやバイオベンチャーなどの参入も増え、21年度は20年度実績と比べ4.7%増の945億円と見込み、30年度には37.5%増の1242億円と予測した。

 

同社は、BS開発について「国内外の企業間提携やグループ企業内での製造と販売の分担など、積極的なアライアンス展開が見られ、今後も製品の増加に伴い市場は拡大が予想される」と説明している。

 

AG市場については、原薬や製法などが先発品と同じ製品であるにも関わらず、薬価は後発品と同じであり、医療従事者が使いやすく広く受け入れられている。21年度見込みは12.1%増の1946億円と2000億円台に迫った。

 

同社は、今後の成長について「後発品成分だけでなく、製法なども先発品と同じであるため、先発品のグループ企業で展開することが多い。グループ企業内で製造を融通することや販売協力も得やすく、営業機会の増加が期待できる」と指摘し、30年度には20年度実績と比べ60.8%増の2792億円と予測した。

 

BS、AGを除く後発品市場は、20年度と比べ21年度見込みは0.7%減、30年度予測は9.3%増の1兆1092億円とした。

 

後発品メーカーによる製造受託市場についても取り上げた。20年度と比べ21年度見込みは、製造不正問題で一部メーカーの受託停止、新型コロナウイルス流行により輸入原薬の入手が困難になっているとして、6.0%減の1453億円。30年度には、「原薬の輸入量の回復に加え、停止した業務の再開によって供給が安定すると見られる」として、7.2%増の1657億円と予測した。

 

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出典:薬事日報

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