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最新 薬剤師業界のTopicsをラク〜にまとめ読み 医薬NEWS超楽読

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2020年上半期は「新型コロナウイルス流行」の話題で持ち切りでしたが、実はその他にも薬剤師にとって大事なトピックスがありました。ランキング形式で2020年1月~6月の医薬業界ニュースを振り返ります。

薬読が選ぶ2020年上半期の医薬ニュース・トップ5

時の流れは早いもので2020年もすでに半分が過ぎ去りましたが、この間も医薬業界では大きなニュースが目白押しでした。薬読では、その中から特に薬剤師がおさえておくべき5大ニュースとしてピックアップし、カウントダウン形式で紹介します。

第5位 ゾレアの適応拡大で花粉症も対象に

ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤オマリズマブ(商品名ゾレア)は、これまで重症の気管支喘息や慢性蕁麻疹に対して使用されてきた薬剤です。ところが2019年12月に季節性アレルギー性鼻炎への適応拡大が承認され、2020年シーズンから重症のスギ花粉症の患者さんにも処方できるようになりました。既存治療で十分な効果を得られなかった患者さんにとっては、待ち望んだ吉報だといえるでしょう。

このことがニュース番組などを通して広く周知された結果、多くの患者さんがゾレアの処方を希望するようになりました。ただし、ゾレアの適応となるためには、既存の治療法では効果が認められないなど様々な条件をクリアしなければなりません。

実際のところ、ゾレアが適応となるほどの重症の患者さんはそこまで多くなく、希望者の大半は処方を受けることができなかったようです。一方で、本来は適応にならない患者さんにも保険診療としてゾレアを処方している医療機関もあるといわれており、適正使用のためのルール作りとその遵守が課題となりそうです。

第4位 2020年9月の期限迫る!後発医薬品の使用率80%達成は可能?

後発医薬品の使用率をめぐっては、2017年の閣議決定において「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」とされており、目標の期限が迫ろうとしている中、様々な対策が講じられています。その一環として、全国健康保険協会は「お薬代の軽減可能額のお知らせ」(軽減額通知)の対象を15歳以上に拡大しました(全国健康保険協会プレスリリースより)。0~19歳の後発医薬品使用率は他の年代と比べて低いことから、後発医薬品の使用を促すために有効な対策だと考えられます。

全国健康保険協会によれば、後発医薬品使用率は伸び悩んでおり、このままでは期限内での目標達成は難しいということです。ただし、後発医薬品使用率は都道府県の間で開きがあり、80%を大きく下回るところがある一方で、すでに80%を超えているところもある状況です。

第3位 高額薬価の新薬が続々登場!

近年、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名オプジーボ)、白血病治療薬チサゲンレクルユーセル(商品名キムリア)、脊椎性筋萎縮症治療薬オナセムノゲン アベパルボベク(商品名ゾルゲンスマ)といった高額な新薬が続々と上市されています。薬価が高額であることには相応の理由があるものですが、お金が無限にわき出てくることはない以上、医療財政に与える影響も考える必要があります。

なお、オプジーボをめぐっては、その生みの親であり2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑氏が、特許使用料の引き上げを求めて、同薬を販売する製薬会社を提訴する構えであることが報じられています。知的財産を守り科学研究を発展させていくために、開発者が正当な対価を得ることは当然とする意見もある一方、日本の製薬業界における特許使用料の相場などから現状の金額を妥当とする意見もあり、司法の判断が注目されるところです。

第2位 電話などによる遠隔服薬指導の対象拡大

またたく間に新型コロナウイルス感染が拡大し、日本国内でも多数の感染者・死亡者が出たことを受けて全国に緊急事態宣言が発出されるなど、感染拡大防止に向けて様々な対策が講じられてきました。

その一環として、感染リスクが高いと考えられる医療機関への出入りを最小限に抑えるべく、厚生労働省は2020年2月、慢性疾患の定期受診者を対象とした電話などの情報通信機器を用いた診察や服薬指導を保険適用とすることを決定。少なからぬ医療機関で導入が進められています。

一方で、情報通信機器をうまく使いこなせない高齢者への対応が難しく、医療格差が広がりかねないという懸念もあります。また、医療従事者と患者さんが対面しないため、慢性疾患の悪化などを見逃してしまう可能性も否定できません。対面であれ遠隔であれ、服薬指導の際は服薬アドヒアランス向上を促すだけでなく、体調変化の確認などもしっかりと行うことが求められます。

第1位 世界中を震撼させたCOVID-19パンデミック

2020年上半期を代表する医薬関連の話題といえば、何と言っても新型コロナウイルス(COVID-19)でしょう。2019年末ごろから中国湖北省の武漢市を中心に「謎の肺炎」として流行が拡大し始め、あっという間に世界中へ伝播しました。2020年6月18日現在、全世界の累計感染者数は800万人を超え、約44万人が命を落としているということです(Yahoo! 新型コロナウイルス感染症まとめより)。日本国内でも感染拡大し、県境をまたいでの移動はおろか不要不急の外出も自粛が求められる事態に発展しました。そうした感染拡大防止策もあって国内では徐々に落ち着きを見せているものの、引き続きの警戒が求められます。

ブラジルやインドをはじめいまだ感染者・死亡者が大きく増えている国々もあり、また一旦は落ち着いたかに見えた中国や韓国でも再び感染者数が増加しており、まだまだ終息の気配がうかがえません。

そうした中、世界中の研究機関や製薬会社が新型コロナウイルスの抗ウイルス薬やワクチンの開発を進めています。特に既存の薬剤を新型コロナウイルス治療薬として転用する試みが多く行われており、2020年5月にはエボラ出血熱治療薬として開発されたレムデシビル(商品名ベクルリー)の転用が特例承認されました。また、日本で開発された新型インフルエンザ治療薬ファビピラビル(商品名アビガン)が新型コロナウイルス感染症にも有効であるとの報告が多数なされており、今後の臨床的な応用が期待されます。

ワクチンについては、完成までに少なくとも12~18カ月は必要だとされ、大量生産ができるまでにはさらに時間がかかると思われます。厚生労働省はワクチン開発の「加速並行プラン」を打ち出し、基礎研究から薬事承認、生産に至る全過程を加速化し、早期実現をめざしています。複数のタイプのワクチン開発が進められており、早いものでは7月から臨床試験がスタートする見込みとされています。また、米国、英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、中国などもワクチン開発に取り組んでおり、一刻も早く有効なワクチンが誕生することを願ってやみません。

以上見てきたように、2020年上半期、医薬新型コロナウイルスを中心に医薬業界では大きな節目となるニュースが相次ぎました。新型コロナウイルスとそれにともなう遠隔服薬指導、また後発品医薬品は今後の動向からも目が離せません。2020年下半期も、薬読では薬剤師がチェックするべき重要トピックスを詳しく解説していきます!

<参考URL>
全国健康保険協会 ジェネリック医薬品(後発医薬品)について

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※この記事に掲載された情報は2020年6月18日(火)時点のものです。

 

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