医療

【供給情報作業部会】供給不安対応で新枠組み~平時に生産情報など把握 厚生労働省

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省が医療用医薬品の供給不安への対応として、行政、製造販売業者、薬局等が平時から生産、入荷、出荷、調剤・投薬に関する情報をヒートマップ等で把握し、供給不安解消に向けた動きに活用する新たな仕組みの案を示しました。

厚生労働省は12日、医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議供給情報ワーキンググループ(写真)で、供給不安への対応として医薬品の生産、入出荷、調剤・投薬の情報把握と分析に関する新たな仕組みの案を示した。平時から行政、製造販売業者、薬局等がこれら情報をヒートマップ等で把握して供給不安解消に向けた動きに活用するもの。最短で2027年度以降の稼働を見込んでいる。

厚労省案では、製造販売業者、卸売販売業者、医療機関・薬局を「流通関係者」に位置づけ、平時から行政が流通関係者における全ての医療用医薬品の生産、入荷、出荷、調剤・投薬に関する情報を通じ、各在庫量を把握・分析した上で、行政と流通関係者がより適切で効果的な対策を実施できるようシステム化も含めて必要な環境整備を図る。

 

これら仕組みは流通関係者が閲覧し、現時点で関係者以外の閲覧は想定していない。関係者が日常使っている管理システムがある場合、同システムと連携して仕組みを構築することとしている。

 

詳細を見ると、流通・在庫情報を厚労省がマクロ視点で把握し、流通過程におけるこれら情報の変化を事前に把握・分析した上で、需給状況に関する全国マップを業界関係者・関係団体に示して自主調整を促す。自主調整では解決しない問題には、厚労省が積極的に関与する。マップでは充足率をヒートマップで示し、二次医療圏単位までの医薬品の不足感を表現する。

 

成分または品目ごとに、製造販売業者と卸売販売業者は企業別、医療機関・薬局は規模別や地域別の単位で情報を把握する。

 

医療機関・薬局については、入荷量を調剤・投薬量で割って算出した医薬品の充足率を指標として設定。数値が低いほど医薬品が不足しているリスクが高い状態としたが、構成員からは「患者の需要が高い医薬品にも関わらず、供給不安により供給可能な量で医療機関等が発注した場合、実際の需要量が反映されない」などの指摘が上がった。

 

また、製造販売業者の生産量など医療機関・薬局の処方・調剤量をもとに医薬品の需給バランスをマクロ視点で可視化。厚労省は需給を均衡させるため、製造販売業者に増産や優先出荷の依頼、限定出荷の解除指示等を行うとの情報活用例を示した。

 

卸売販売業者は、自社の入荷・出荷計画の精度向上により医療機関・薬局との調整を円滑化させるほか、医療機関・薬局は製造販売業者の出荷状況を正確に把握することで、医薬品の選択における柔軟な対応が可能とした。

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出典:薬事日報

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