薬剤師会

初後発5割、3価格帯を維持‐次期薬価改革で論点

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省は2015年12月2日、中央社会保険医療協議会薬価専門部会で後発品の発収載薬価の方向性を示しました。先発品の5割(10品目超内用薬は4割)に引き下げ、バイオ後続品は先行品の7割を維持する考え方ですが、2015年度の薬価調査結果を踏まえて最終決定されるとのことです。

1000億円超で再算定

 

厚生労働省は2日、次期薬価制度改革に向け、後発品の初収載薬価を先発品の5割(10品目超内用薬は4割)に引き下げ、バイオ後続品は先行品の7割を維持する方向性を、中央社会保険医療協議会薬価専門部会に示した。価格帯は長期収載品を基準とした3価格帯を維持する。市場拡大再算定は、年間販売額1000億円超を例外的に「巨額」とし、1000億~1500億円以下で予想販売額の1.5倍以上、1500億円以上で1.3倍以上の品目を対象とする案を提示、委員から目立った異論はなかった。

 

厚労省が示した論点整理では、初後発品薬価を先発品の5割(4割)に引き下げ、バイオ後続品は現行の7割維持を提案。ただ、引き下げ幅は、2015年度の薬価調査結果を踏まえ、最終的に決める。後発品の価格帯は、長期収載品を基準に3価格帯を維持する方向性を打ち出した。

 

長期収載品の薬価は、政府の数量目標として、当面の17年度の70%目標を踏まえ、特例引き下げの対象となる後発品の置き換え率を「30%未満」「30%以上~50%未満」「50%以上~70%未満」に引き上げることを提案した。

 

これに対し、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「引き下げ幅も議論してはどうか」と迫ったが、加茂谷佳明専門委員(塩野義製薬常務執行役員)は「特例引き下げは、後発品に置き換えが進まない場合、繰り返し適用される極めて厳しいルール。さらなる引き下げ率の検討は強く否定したい」と反論。医療費適正化の効果を踏まえた議論を求めた。

 

また加茂谷氏は、初後発薬価について、注射薬・外用薬の乖離率が内用薬と比べて10%程度小さいことを指摘。「一律に5割とするのは乱暴な議論ではないか」と述べ、投与経路別の検討を要請した。

 

市場拡大再算定をめぐっては、年間販売額が1000億円を超える例外的な場合を「巨額」とし、▽1000億~1500億円以下で予想販売額の1.5倍以上▽1500億円以上で1.3倍以上――の品目は、再算定の対象とし、特に1500億円以上の場合、引き下げ率を最大50%とする案が示されたが、異論はなかった。

 

一方、基礎的医薬品は、過去の不採算品再算定品、古くから医療を支える医薬品等を対象に、最も販売額が大きい銘柄に価格を集約し、その薬価を維持する試行的取り組みを16年度改定で開始する案を示した。

 

幸野委員は、「基礎品だから何でも下支えするのはいかがなものか。新ルールを導入するなら、安定供給を担保すべきだし、限定した品目だけ扱ってほしい」と要望。厚労省の中井清人薬剤管理官は「基礎品は限定的に考えたい」と応じた。

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出典:薬事日報

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